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言っても聞かない「モンスター社員未満」を厳しく叱る方法 叱る・注意する・指摘するの違いとは?

横山信弘経営コラムニスト
(ChatGPT DALL-E 3 にて筆者作成)

■モンスター社員ではなく「モンスター社員未満」とは?

モンスター社員(問題社員)とは、職場内での非協力的な態度や、他の従業員に対する否定的な影響を与える人物を指す。

・業務命令に従わない

・仕事をサボる

・協調性がない

・著しく能力不足なのに努力しない……等

このようなモンスター社員は、職場の士気を低下させ、生産性を損なわせる。それどころか、組織全体の業績に悪影響を及ぼす可能性さえある。

しかし、このように明らかなモンスター社員ではなく、世の中の上司を悩ますのが「モンスター社員未満」の存在だ。「モンスター社員未満」とは、正しく指導しないとモンスター社員に育っていってしまう社員のことだ。

もちろん、ほとんどが若手だ。そこで今回は、「モンスター社員未満」をモンスター社員にさせないために厳しく指導する方法を解説する。世の中の上司たちは、叱る・注意する・指摘するの違いについて、詳しく知ってもらいたい。

■厳しく叱るときは、相手の思考を止める必要があるときだけ

「モンスター社員未満」の人は、褒めたり承認すると、「今のままでいい」「この程度では叱られない」と受け止め態度をエスカレートさせていく。したがって日ごろから上司は厳しく指導する必要がある。

とはいえ、厳しく叱る必要があるときと、その必要がないときがある。

「叱る」ことを奨励する書籍など、今の時代、ほとんど見られなくなった。しかし私は新刊『若者に辞められると困るので、強く言えません』に詳しく書いた。

場合によっては、部下を厳しく叱る必要もあるのだ。それをイフゼンルールで表現した。では、どんなケースか?

それは、重大なリスクを相手が軽んじているときだ。リスクがあるだけなら、言って聞かせればいい。しかし、そのリスクの重大性を理解せず、軽視していると判断したら、厳しく叱ったほうがいい。

いったん相手の思考を止める必要があるからだ。そして叱るとき、上司は感情をコントロールしながら叱るようにしよう。感情に任せて叱ると、上司自身が非難されることになる。

イフゼンルールをまとめよう。

<叱るイフゼンルール>
即刻相手の行動を変える必要がある場合にのみ
●例1:取り返しがつかないことが起こるリスクを軽視している
●例2:あたりまえの基準が下がるリスクを軽視している

■何度も言い聞かせるときは「注意」しよう

何度も言い聞かせて、行動や意識を変えようとするときは、叱ってはいけない。そんなことをすると、「ガミガミ言う」人になってしまう。これは親子の関係でもそうだ。

「叱る」と決断したら、一発で相手の行動を変えるつもりでやろう。

何度も繰り返してもいい場合は、注意する。「注意」だと「叱る」よりはインパクトが弱い。だが、その分お互いが受けるストレスも少なくて済む。

ただし事前にルールや約束事をしっかり伝えておくことを忘れてはならない。そうでないと、

「そんなこと聞いてない」

「そんな話、はじめて知った」

と反論されてしまう。

イフゼンルールをまとめよう。

<注意するイフゼンルール>
何度も言い聞かせ、相手の行動を変える必要がある場合にのみ
●前提条件:事前にルール、約束事が伝えられていること

■「注意する」と「指摘する」の違いとは?

「叱る」ときと「注意する」ときの共通点は、相手がわかってるのにもかかわらず軽んじているときだ。著しく気が抜けていたり、意識が低くなっているときに使う。

しかし、もし、相手が意識するのを忘れているだろうな、もしくはちゃんと伝わっていないだろうと思ったときは「指摘」してみよう。

こういう場合に注意したり、叱ったりすると相手との関係がとても悪くなる。

イフゼンルールをまとめよう。

<指摘するイフゼンルール>
相手が大事なことを忘れている、意識していない場合にのみ

■上司はアウトドアスポーツの指導者と思え!

順番は「(1)指摘する → (2)注意する → (3)叱る」だ。最初から叱ってはならない。

上司はパラグライダーやラフティングといった、危険と隣り合わせのスポーツの指導者だと考えるべきだ。

「言うことを聞かないなら、知らないからな」

「勝手にしろ」

などと言って匙(さじ)を投げてはならない。新刊『若者に辞められると困るので、強く言えません』に詳しく書いた。

途中で諦めたり、例外を認めるような上司なら部下を指導する資格がない。

「モンスター社員未満」への対応は、職場の健全な環境を維持するために不可欠である。問題行動に対しては厳しく対応することで、高いパフォーマンスを発揮する組織文化を根付かせることができる。「モンスター社員未満」をモンスター社員にしてはならない。上司は指導者としての自覚を持とう。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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