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なぜAIが普及すると「クリティカルシンキング」が必要か? 人間のバイアスとAIのバイアスの違いを解説

横山信弘経営コラムニスト
(提供:shutterstock)

■なぜAIが普及するとクリティカルシンキングが必要か?

もう説明不要だろう。

先日ChatGPTのプラグインが日本ユーザーも活用できるようになったし、iPhoneアプリも登場した(日本版は未定)。

凄まじいスピードで、私たちの日常生活に人工知能(AI)技術が入り込んでいる。

まぎれもなくAIの急速な発展と普及は社会全体に強い影響を及ぼし、私たちの生活を根底から変えていくだろう。

それはまるで、未知の地に羅針盤なく進んでいくかのような挑戦とも言える。

そのため私たちは流されるだけではなく、AIの働きを理解し、適切に活用するための能力が求められるようになった。

そのためのスキルの一つが「クリティカルシンキング」である。

AI時代はもう、悩む必要はなくなる。迷うこともなくなるだろう。

なぜなら、解決策の選択肢をAIが出力してくれるからだ。私たち人間がやることは、その選択肢の検証と評価だけなのである。

だからこそ、今後はクリティカルシンキングというスキルが必要なのだ。

このスキルを身につけることでAIがもたらすリスクを回避し、最大限にその利点を享受できるようになる。

本コラムでは、AI時代にこそ必要なクリティカルシンキングに焦点を合わせ、人工知能の本質とクリティカルシンキングの重要性を解説する。

人間のバイアス、AIのバイアスを正しく理解して、ふだんの仕事にも使える重要なスキルを手に入れよう。

<目次>

■なぜAIが普及するとクリティカルシンキングが必要か?

■ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違いは?

■クリティカルシンキングを完全解説

■クリティカルシンキングを仕事で役立てる2つの事例

■人間のバイアスとAIバイアスの違い

■クリティカルシンキングを使ったAI生成文章を検証する

■ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違いは?

クリティカルシンキングと聞けば、必ず引合いに出されるのが「ロジカルシンキング」である。

ロジカルシンキングとクリティカルシンキングはどう違うのか? それを理解することで、さらに深くクリティカルシンキングの重要性を理解することができるだろう。

ロジカルシンキングとは、一言で表現すると論理的に思考するスキルだ。情報を整理し、問題解決に必要な要素を明らかにし、その上で解決策を導きだす。

解決策(アイデア)を出力するために使う思考力である。

それに対してクリティカルシンキングは、出力された解決策(アイデア)を評価・検証するために使う思考力だ。

だからクリティカルシンキングは、何かを生み出すときに使うわけではない。なのでロジカルシンキングが「論理的思考」と呼ぶのに対し、クリティカルシンキングは「批判的思考」と呼ばれる。

クリティカルシンキングを一言で表現すると、出力された解決策(アイデア)やデータ、情報を冷静に評価し、その信憑性や価値を判断するスキルと言えよう。

つまり、ロジカルシンキングは「情報を整理し、解を導き出す」ことに注力するのに対し、クリティカルシンキングは「情報そのものの信憑性を見極める」ことに重きを置く。

そして、AI時代には、前者よりも後者のスキルがより重要となる。なぜなら、もはや解決策(アイデア)は、生成AIが作り出してくれるからだ。

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経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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