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今も「目先の仕事」に追われている人の致命的な誤算

横山信弘経営コラムニスト
たまには視座を高めるタイミングが必要だ(写真:イメージマート)

■「目先の仕事」に追われるとネガティブになる真因

「目先の仕事に集中して、何が悪い!」

とお叱りを受けそうだ。今回の記事は。

とはいえ昔から「目先の仕事に追われている人」は仕事の効率が悪いと言われてきた。名著『7つの習慣』にも書かれてあるとおり。私たちは常に「重要でかつ緊急でない事柄」にフォーカスしていかなければならない。

2022年は、あともう少しで終わり。あなたの2022年は、どうだっただろうか? 「目先の仕事に追われた」1年であっただろうか。

もしもそのような一年を過ごした、というのであれば気を付けたほうがいい。たまに立ち止まらないと、ドンドンと視野が狭くなっていく。

視野が狭いと、行動や思考のレパートリーが少なくなる。今後、自分のポテンシャルを十分に発揮できなくなることもある。

そのリスクを踏まえたうえで、「視座・視野・視点」について理解すべきだ。今回は、「視座・視野・視点」にまつわる重要な概念について解説しよう。

■「視座・視野・視点」に関する興味深い豆知識

さて、ではどのようにすれば「視野を広げること」ができるのだろうか? そのためにはまず、視座を高めることが重要だ。視座を高めることで、自動的に視野を広げることができる。いわゆる「鳥の目」を持てるようになる、と言われる。

視座を高めて視野を広げれば、多くの可能性を見出せるようになる。なぜなら、いろいろなところに視点を向けられるようになるからだ。

「視野が広がれば、可能性が広がる」と言われるゆえんだ。

ここで重要なことは、「視座・視野・視点」の意味を正しく覚えること。以下にカンタンに記しておこう。これを読めば、視野よりも先に視座を上げることが大事であることが理解できるはずだ。

・視座=どこから見るか?

・視野=どこまで見えるか?

・視点=どこを見るか?

■まず「視野を広げようとする人」の残念な勘違い

視座を高め、「鳥の目」で全体を俯瞰していると、向けるべき視点が決まる。そうしたら、次はしっかりとその場所を凝視しよう。それぞれを「虫の目」で観るのだ。

いわゆる「三現主義」である。

※三現主義:現場・現物・現実

現場(場所)へ出向き、現物(モノ)を確認し、現実(ファクター)を直視する。そうすることで、現状を正しく理解でき、どこに問題があるのか、何が原因なのかがハッキリとわかるようになる。

■残念!ビジネスチャンスを逃す不変の「口ぐせ」

視野が狭い人ほど、思考パターンは似ている。

「わが社は特殊ですから」

「うちの業界は他と違うんですよ」

こんな口ぐせをする。このような口ぐせが、数え切れないほどのビジネスチャンスをとり逃すことになるとは知らずに、だ。

たしかに、目先の仕事に集中することは、いいことだ。しかし、たまには立ち止まって、自分や自社の置かれた場所を俯瞰してみよう。

視野を広げるには長い年月が必要だ。しかし視座を高めるためには、そこまで苦労しなくてもいい。キチンと勉強し、感度をアップして情報を収集することで視座は高められる。そしてビジネスチャンスも広がっていく。

■イノベーションを起こす人が持つ画期的な「目」とは?

目の前の仕事に集中するのは重要だ。しかしその姿勢を長年続けていると、ずっと視座は低いまま。とくにVUCAの時代の今、頻繁に「鳥の目」で世の中を確認しないと、何が起こっているのかわからなくなる。いずれ迷子になり、時代に取り残されてしまうだろう。

最後に別の「目」を紹介しよう。その名も「コウモリの目」だ。イノベーターの「目」と言えよう。イノベーターは、このような世の中をひっくり返して見る「コウモリの目」を持っている。だから前提を覆したり、常識を打ち破る発想ができるのだ。

まさに「目の付け所が違う」と言えよう。これからはますます複雑な時代になっていく。視点の自由度を高めるために、視座や視野、視点を意識していこう。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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