新型肺炎によって注目が集まる「テレワーク」 ~テレワークに向いている人、向いていない人

(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

■ テレワーク導入は待ったなしだ

先日、朝日新聞に衝撃的な記事が載った。「満員電車は”つば交換”状態」というタイトルの記事である。

新型肺炎の飛沫感染を防ぐためには混雑している場所は極力避けたほうがいい。それはわかるのだが、それにしても「つば交換状態」とは……。

このような記事を読んでしまったら、これまで耐えてきた通勤地獄も、もうイヤだ。せめて新型肺炎が沈静化するまでは、在宅勤務がしたい、もしくは、近所のカフェやワーキングスペースで業務をこなしたいと希望する人も増えることだろう。

それによって交通混雑が緩和されれば、業務スタイル上、テレワークができない人の感染リスクも軽減させることができる。ぜひこの機会に、導入可能な企業は、積極的にテレワークを導入すべきだ。

実際に、「新型肺炎が猛威をふるっているのだから、オリンピック期間を待たずにテレワークを導入する」と前のめりになっている企業が増えている。

楽天やヤフーがその代表格だ。

とくに楽天は、日本での感染が拡大した場合において、国内の全社員(1万人超)を在宅勤務にすると発表した。

■ ジョブ型とメンバーシップ型

さてテレワークとは、「テレ=離れた場所」に「ワーク=働く」を足した造語である。インターネットを活用して、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方そのものを指しており、在宅勤務のみならず、移動中やカフェ、サテライトオフィスでの仕事も「テレワーク」と呼ぶ。

日本政府は「働き方改革実行計画」で、テレワークの普及を加速させていく方針で、柔軟な働き方、多様な働き方を推し進めるうえでテレワークは欠かせない考え方だ。

私も仕事の関係で、日本全国を飛び回っている。そのせいで、オフィスに出勤しなくても仕事ができるテレワークという働き方は、とても便利だと感じている。

ただ、気を付けなければならない点がある。

日本の一般企業の働き方は、「仕事に人をつける」欧米のジョブ型ではなく、「人に仕事をつける」メンバーシップ型であるという点だ。

あらかじめ仕事の内容を決めてから雇用契約を結ぶことが「ジョブ型」で、人の能力やスキル、将来性を見込んで雇用契約を結ぶのが「メンバーシップ型」。

たとえその仕事がなくなっても雇用を続けるのが、日本企業の特徴だ。

■ なんだかんだ言って面倒見がいい日本企業

つまり、なんだかんだ言って日本企業は面倒見がいいのである。

外部環境の変化によって仕事がなくなっても、ご縁があって入社したのだから、企業側はその人を他部門への異動を促したり、教育プログラムを充実させるなどして、雇用維持に向けて柔軟に動く。

多くの日本人は、こういった「メンバーシップ型」の雇用に馴れている。

しかし、そのせいでマネジャーは、その人の仕事を見るのではなく、その人自身を見るクセがついている。だから、どうしても部下をずっと目に見えない場所にいさせることに慣れないのだ。

このような日本人独特の思考、日本独特の企業文化がある以上、なかなかテレワークは普及しないのではないか。私はそう思っている。

■「ヤーキーズ・ドットソンの法則」とは?

会社側ではなく、働く側はどうか?

先述したとおり、「メンバーシップ型」の雇用をしている日本企業に勤めた場合であったとしても、テレワークを選んだら、当然「ジョブ型」の働き方をしなくてはならない。

したがって、性格も「欧米型」であるべきか。

移動中やカフェ、自宅で仕事をしていると、誰の目にもさらされていないため、ついつい「仕事のようで、仕事ではないこと」にも意識が向いてしまう。20分も30分も、なんとなくネットサーフィンをしたり、ソーシャルメディアに投稿したり、「いいね!」を押してみたり……。

このように、正しく自分を律することができない人は、生産性の悪い仕事しかできなくなる。テレワークを選んだほうが長時間労働になってしまうのだ。(仕事の成果で評価されるため)

よって、他人の目がないと、ついつい気持ちが緩んでしまう――なんていう人はテレワークに向いていない。集団の中にいたほうが本来のポテンシャルを発揮し、維持しやすい多くの日本人には、酷な環境だ。

適度な緊張状態がパフォーマンスアップに繋がる法則を「ヤーキーズ・ドットソンの法則」と呼ぶ。上司や同僚の目が届かない、緊張感のない場所で最適なパフォーマンスを維持するのは簡単ではない。

■「依存型」から抜け出そう

だからテレワークに向いているのは、自分を律することができる人だ。自律している人は、集団同調バイアスにかかりづらい人とも言いかえられる。つまり「長いモノに巻かれない」人。会議中でも手を挙げて発言するような、自己主張をハッキリする人。他人にどう思われようが、自分を曲げない芯が強い人だ。

反対に、他人の目を気にする人、承認欲求が強い人は、他人の目がなくなった瞬間にグダグダになる。

新型肺炎や水災害など、近年、想定外のリスクを考慮しながら、私たちビジネスパーソンは働き、成果を出していかなければならない。

そんな時代になってきたからこそ、どんな環境でもパフォーマンスを維持できるよう、職場にも、会社にも、上司にも依存しないよう、常に仕事の目的を頭に入れながら働こう。

一日中会議ばかりに出席している名ばかり管理職や、主体性のない「指示待ち人間」には、いよいよ辛い時代になってきた。テレワークという働き方をしたら、何もやることがないからだ。

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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