働き方改革時代に「年末年始の挨拶まわり」は必要ない

働き方改革時代に、年末年始の挨拶まわりは必要なのか?(写真:アフロ)

■ 働き方改革時代は「挨拶まわり」も不要?

最初から結論を書く。働き方改革時代なのだから、「年末年始の挨拶まわり」は必要ない。

私は企業の現場に入って目標を絶対達成させる営業コンサルタントである。だから営業活動において最も大事なことを知っているし、それをクライアント企業の営業パーソンたちに徹底させている。

その、最も大事なこととは、お客様との信頼関係だ。

お客様からの信頼をどのように獲得するのか。そしてその関係をどう維持するのか。営業パーソンにとって、これ以上に大切なことはない。

そして、その信頼関係を構築・維持するために、誰にでもできて、効力が高いのが「単純接触」である。

この理論は、アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが発見したため「ザイアンス効果」とも呼ばれ、営業活動のみならずテレビコマーシャルなど、マーケティングの世界でも広く知られている。

上司と部下の間柄もそう。夫婦間もそう。日ごろからの挨拶、声かけ、感謝の気持ちを伝えること等が、お互いの関係を維持するためにとても有効なのだ。

だから、年末年始の挨拶まわりは、営業パーソンがお客様と接触する絶好のチャンスと思う人も多いだろう。私も、そう思っていた。

しかし、働き方改革時代になって風向きが変わったのである。

■ やるだけマイナスか?

ランスタッド・リサーチインスティテュート(RRI)が調べた年末年始の挨拶まわりに関する調査で、次のような結果が出ている。2018年末の調査結果だ。

必要……22.1%

必要ない……42.6%

挨拶に行く側、挨拶を受ける側、ともに「必要ない」と答えた人が「必要」と答えた人の2倍以上もあった。

当事者が「必要ない」と答えても効果が見込めるなら、やらないよりやったほうがいい。しかし、コミュニケーションのデジタル化が進んだこともあり、「挨拶を受ける側」からは

「メールでいい」

という意見が増えている。

さらに今年から本格的な働き方改革時代に突入した。ただでさえ年末年始は忙しい時期なのだから、

「挨拶といっても2~3分で終わらない。時間がとられ、迷惑だ」

「カレンダーを渡すだけのために来ないでほしい」

と思われるようになっても仕方がない。どの企業も、1分1秒でさえ惜しいからだ。

忘れてはならないことがある。

年末年始の挨拶まわりは、信頼関係ができていないお客様との「関係の構築」には役立たない。すでに信頼関係ができているお客様との「関係の維持」のためにするものだ。

しかし、お客様に迷惑だと感じさせたら「関係の維持」には繋がらないだろう。

「やるだけマイナス」のことは、当然やるべきではないからだ。

■ 年末年始だけ挨拶するのは意味がない

では、どうするか。

簡単だ。時期をずらせばいいのである。

12月20日から1月15日ころまでは、「ご挨拶」という名目でお客様を訪れないこと。相手の時間を奪う行為は、働き方改革時代にはマイナスだ。信頼関係を崩す恐れすらある。

なので、メールや葉書で済ませておくのだ。挨拶は。

とはいえ高度情報化社会おいて、非言語コミュニケーションはより重宝される。だから、面と向かっての接触は不可欠だ。年末年始は避けるものの、「12月は中旬まで」「1月には下旬から」などと自分なりのルールを決め、訪問すればいい。

もちろん、そのときは「年末年始の挨拶」というネタは使えないが、しかし、そのほうがいいではないか。

だいたい、何かネタがない限り訪れない営業パーソンが、お客様と関係を構築できるはずがない。お客様のほうも、「ふだんは顔を見せないのに、年末年始のルーティン挨拶だけ来られても」という気分になる。

「ネタがあるからお客様のところへ行ける」ではなく、「お客様のところへ足を向けるからネタが出てくる」という思考が必要だ。このような逆算思考の基本を押さえ、常にネタを仕込んでおくことである。

繰り返すが、働き方改革時代なのだから「年末年始の挨拶まわり」はやめておこう。メールや葉書などで済ませ、年末年始の時期をはずして接触するほうがいい。今はそんな時代だ。

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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