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会社を辞めたい若者に意識してほしいこと、それは「転職」なのか「転社」なのか?

横山信弘経営コラムニスト
転職したいのか、転社したいのか?(写真:アフロ)

転職と転社、就職と就社

7月も半ば。4月に入社した新入社員は、社会人となって3ヵ月以上を過ごしたことになります。期待を胸に、今の会社に入ったのに「何かが違う」「こんなはずじゃなかった」と重々しい気持ちになっている人もいることでしょう。すでに会社を辞め、新天地でがんばっている人もいるかもしれません。

空前の人手不足の時代です。会社に入ったはいいが、あらゆる意味で不満がたまり、「会社を辞めようかな」「今なら第二新卒としてまた就活できる」と思いめぐらしてしまったとしても不思議ではありません。

ただ、今の会社を辞め、他の会社へうつろうとしている若い人に、これだけは頭に入れておいてほしいことがあります。それは、「転職」と「転社」の違いです。「転社」とは転換社債の略として使われることが多く一般的ではありませんが、あえて意識してもらいたいので、「転社」という言葉をここでは使います。つまり「職」を変えたいのか、「社」を変えたいのか、ということです。

同じような言葉で「就職」と「就社」があります。「職」に就くのか、「社」に就くのか、ということ。

ジョブ型とメンバーシップ型

日本の多くの企業は、「仕事に人をつける」欧米のジョブ型ではなく、「人に仕事をつける」メンバーシップ型労働をとっています。ですから日本の企業は、たとえ仕事がなくなったとしても、その仕事に従事していた人に教育を施し、他の仕事もできるよう配慮する傾向が強い。せっかくご縁で当社に入社したのだし、「もうこの仕事はないのだから、他の仕事を探したまえ」とは言えない文化を持っています。

日本の企業が「メンバーシップ型」である以上、人を雇うときも「就社」という意識で相手と向き合います。いったん雇用した以上は、よほどのことがない限り、長く働いてもらう環境を整備しようとします。

雇用される側も「就社」という意識が強い人が多いでしょう。時代の変化により、自分のやる仕事がなくなったら、他にその仕事がある会社へとうつるかというと、多くの人はその会社に留まろうとするはず。ですから、エンジニアとして入社した人も、総務や営業、物流など、いろいろな職務を経験することがあるのです。

「転職」なのか「転社」なのか

4月に入社し、他の会社へうつろうと考えたとき、ぜひ「転職」なのか「転社」なのかを意識してもらいたいと私は思います。他者に本音を言わなくてもいいですが、自己分析してみるのです。仕事がイヤになったのか、それとも会社がイマイチなのか、ということ。

もし仕事がイヤだと考えたのなら、もう少し様子をみましょう。なぜなら、たかが数ヵ月でその仕事の本質はわからないからです。「好きな仕事」「楽しい仕事」をやりたいと口にする人がいますが、仕事を好きになったり、楽しんだりするためには、それなりの時間を要するものです。

野球が好きな人も同じでしょう。野球観戦が好きな人と、野球をするのが好きな人と分けたとき、野球をするのが好きな人というのは、それなりの期間努力をし、そこそこ上手になってから「好き」と感じるものです。野球を「楽しむ」ことができるようになります。

また、もしも会社がイマイチだと考えたら、何がイマイチなのか、切り分けて分析してみましょう。上司がイヤなのか、組織がイヤなのか、待遇がイヤなのか、会社の将来性がないのがイヤなのか、ということです。

自己責任という認識を持つ

同じ轍を踏まないよう、次の就活でこの経験を生かすためには、自己分析をしっかりやります。待遇や会社や業界の将来性のことでしたら、その会社に入る前にキチンと調査するのです。人材紹介会社のコンサルタントに調べてもらえばいいのです(ちゃんと対応してくれない場合は、他もあたることです)。人間関係が気になるなら、自分の上司になるような人、組織のメンバーと事前に面談したり、自分の思いを聞いてもらいましょう。

一番避けたいのは、何となく会社を辞め、他の会社にうつることです。自己分析をキチンとできない人は、いくら人手不足とはいえ、いい会社の採用面接は通りません。また、同じ失敗を繰り返すこともあります。

数ヵ月や1~2年で会社を辞めるという事実は、明らかな汚点としてその人の経歴に残ります。最初に選んだ就職先が失敗だった、というのは自己責任だからです。いくら社会経験がないとはいえ、この高度情報時代にそれなりの情報収集能力があれば、回避できたはずと企業側は考えます。その責任を認め、次は同じ過ちをしないと「改善」していきましょう。そのような姿勢を持つために、自分は「転職」したいのか「転社」したいのかを自問自答してみるのです。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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