「人生100年時代」をサッカーでたとえてみる――「働かないおじさん」にレッドカード!

最後まで諦めずに死力を尽くすのがサッカーの醍醐味(写真:アフロ)

感度が鈍い「働かないおじさん」

「人生100年時代」と言われて久しいのに、感度が鈍いのか、それとも意味を正しく受け止められないのか。50歳を過ぎると「逃げ切りモード」に入るベテラン社員がいます。昨今よく使われるようになった「働かないおじさん」のことです。

「働かないおじさん」とは、50~60代の男性管理職で、30代~40代のミドルマネジャーよりも高給取りなのに、会社への貢献度が低い。貢献度が低いだけならともかく、部下の足を引っ張り、実質貢献度がマイナスの人もいます。このようなベテラン社員を総称して「働かないおじさん」と呼ぶようです。

私は企業の現場に入るコンサルタントです。確かに「働かないおじさん」は実在します。とくに55歳をすぎると、その傾向が顕著にあらわれます。

「おいおい、俺ももう歳なんだから、そんなにこき使わないでくれよ」

と、平気で開き直り、努力しよう、さらに成長しようという気持ちをまったく持たない。それどころか、

「これからは君たちの時代なんだから、俺たちが頑張ってもしょうがないだろ」

と、「やる気ゼロ」の態度を隠そうとしない人もいます。10年前ならともかく、このご時世においては、痛々しく、かつ哀れな言動です。

人生100年時代をサッカーにたとえる

AIの進化によって、治療の難しい病気を克服する患者が増えています。このように医療技術の発達により寿命が延びることはもはや明らかであり、いま50代の人であれば、100歳超えはなくとも、90歳までは生きることは間違いないことでしょう。ということは、現在55歳の人はまだ人生の61%しか消化していない計算です。サッカーでいうと、『後半10分』の時間帯

「10-0」のスコアで勝っているのならともかく、「1-0」とか「2-1」のスコアであれば、後半10分で「逃げ切りモード」にスイッチすることなど許されません。

つまり、すでに人生勝ち組で、相応の財産を築いているのであれば55歳で「逃げ切りモード」に入ってもいいかもしれません。(ただし、このような態度で、あと5年も6年も会社に在籍してもらっては組織の風土が悪くなるだけですから、会社側から「お引き取りください」とレッドカードを出されることでしょう)

しかし、定年までの数年間まるで努力も重ねることなく、これまでの実績、肩書だけで会社に居残ろうとするのなら、その後の働き口に困ることでしょう。まさか定年後に、働くことなく悠々自適な生活を送ることができると考えている人はいないでしょうし、第一それ以降30年近くも労働することなく過ごすことが健全な生き方とは言えません。

「逃げ切りモード」は、アディショナルタイムに入ってから

後半10分の時間帯ですと、試合が終わるまであと35分もあるのです。そのあいだゴールを狙うこともなく、味方選手とパス回しをしつづけて楽しいはずがありません。たとえ試合に勝ったとしても、すばらしいゲームをしたと胸を張って言えることはないでしょう。

豊かな人生を送るためにも、まだ「後半10分」の時間帯で「逃げ切りモード」に入ってはなりません。

部下や後輩、そして何よりお世話になった会社に恩返しするためにも、そして社会に貢献するためにも、さらなる努力をして成長すべきです。サッカーでも同じ。チャレンジすることでリスクも増えますが、攻める姿勢を最後まで失わず、ハードワークすることで周囲も応援してくれます。充実した人生を送ることができるのです。

「逃げ切りモード」は、アディショナルタイムに入ってから考えていくべきでしょう。