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相次ぐ不祥事、企業体質の改善が求められるが、そもそも「企業体質」とは何か?

横山信弘経営コラムニスト
(ペイレスイメージズ/アフロ)

そもそも企業体質とは?

電通と幹部3人は先日、労使協定の上限を超える違法な長時間労働をさせた疑いで書類送検されました。電通は法人として立件される可能性も出ています。不適切会計の影響で経営再建中の東芝は、主要4事業を分社化し、社員約2万人を新会社に転籍すると発表。ニュースでは、電通、東芝、いずれも日本を代表する企業の「体質改善が求められる」と報道しています。しかし、よく報道で使われる「企業体質」とは何なのか? 言葉を聞いてすぐにピンとくる人はいるでしょうか。今日は「企業体質」とは何なのか、考えてみたいと思います。

「企業体質」という表現は便利な言葉です。企業の不祥事が起こるたびに、ニュースでは「今回の不祥事を受け、企業体質の改善を求める声が強まっています」などと使われます。「企業体質」のみならず、「組織体質」「経営体質」「財務体質」……などと表現されることもあります。

人間の「体質」で考えてみたら、わかりやすくなるかもしれません。体質は、遺伝的要素と環境的要素で決まると言われます。甘いものを食べるとすぐに太る人もいれば、どんなに食べても太らない人もいます。ストレスがたまるとすぐ口内炎を発症する人、下半身に吹き出物ができる人もいます。暑がりの人もいれば、寒がりの人もいます。これらは人間の「体質」が影響していると言われます。

何らかの刺激が与えられたとき、どんな反応が起こるかで、その人の体の「たち」――「体質」がわかってきます。

企業も同じ。何らかの事由で業績が落ちてきたとき、どんな反応を起こすか? 社員に長時間労働を課して売上を増やそうとするのか、不正な会計処理を促すのか。不祥事が発覚したあと、隠ぺいしようとするのか、それとも1982年の「タイレノール事件」で魅せたジョンソン・エンド・ジョンソンのように、迅速に、そして誠実に対応して責任を果たそうとするのか。その企業の「たち」――「体質」がわかってきます。

人間の「体質」と同じように、自身ではコントロールできない「反応」を示してしまうのが「企業体質」です。年齢を重ねるごとに、環境要因が複雑に絡んで体質改善が困難になってくるのは、人も企業も同じ。歴史の長い会社ほど「体質改善」が困難なのは当然です。

企業の「体質改善」のためにできること

「体質改善」のためには、人間も企業も同じ。これまで以上に健全な日常を送るよう強く心掛けることしかありません。「食事」「運動」「睡眠」「ストレス」……これらを自身で健全にコントロールするのです。企業でいえば、原点に立ち返り、社内のコミュニケーションは円滑に保たれているか、不正を抑制するリスクマネジメントはできているか、売上を上げるための創意工夫がなされているか、ムダな会議やメール処理に追われて部下育成に無頓着になっていないか……など。歴史が長く、社員が多くなると、知らず知らずのうちに「老廃物」が社内にたまってくるものです。それをひとつひとつ除去する努力を怠ってはなりません。

検察による立件というキツイ「注射」。分社化やリストラといった「外科手術」。このような措置がされないよう、特に歴史のある企業は日々「体質改善」につとめるべきです。昔の「あたりまえ」が、今の「あたりまえ」ではなくなってきたことを、まだまだ理解できていない経営者が多いのが実態ですから。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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