TwitterやFacebookなどでの「コミュニケーショントラブル」を考える
リアルでもネット上でも、正しい「前提条件」を共有していない人とコミュニケーションをしていれば、話が噛み合わなくなる可能性は自然と高くなります。
自分が投稿した内容が、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアで拡散され続けると、こちらの事情や環境をよく知らない多くの人が目にすることになります。知らない人に、ただ「見られている」だけならともかく、その投稿に「レスポンス」が戻ってくるときもあるので、厄介なことがあります。
数年前、私はTwitterで「期末までまだ4ヶ月残っていますが、すでに今期の目標を達成しました」とつぶやきました。Twitterの知人の多くは「おめでとう!」「見習いたい」「さすが絶対達成コンサルタント」などと返信してくださいました。しかしながら、中には、
「目標が低かっただけでしょう」
とレスポンスされる方もいました。その年に設定したのは前期130%アップした目標でしたし、1年間、想定外のことが連続して起こり、正直なところかなり苦しんで達成したわけですから、その「前提知識」を知らずに「目標が低いから、達成できるんだ」と見知らぬ人から言われると、さすがに良い気分はしません。
その時はスルーしたのですが、約1年後も、私は懲りずに「今期も早々と目標を達成しました」というツイートをしたところ、また別の方々から(しかも3名!)、
「目標が低いに決まってる」
「低すぎる目標を達成しても意味がない」
「そんなに早く目標が達成するなんて、設定が低すぎるに違いない」
というレスポンスをいただきました。昨年よりもさらに20~30%以上高い目標を設定し、これまで以上に苦労しながら達成したという自負があるのに、その「前提知識」がない方から「低すぎる」と指摘されるのは不条理だ、と私は思ってしまいました。そして、それからはこのようなつぶやきをやめることにしたのです。
いま振り返って考えると、大人げないな、と思います。
そんなことで腹を立てるようであれば、Twitterなどしなければよいのです。そしてそのようなつぶやきをしないことです。Facebookでも同じことでしょう。
「名古屋の喫茶店の味。スパゲッティナポリタンを作ってみました!」
と写真つきでFacebookに投稿してみたところ、
「仕上げにバターを入れると、さらにコクが出て美味しくなりますよ! 試してみてください」
というコメントをいただきました。私は調理の最後にバターを入れていたので、もしも私が柔軟性に欠ける「頑固」な人であれば、
「仕上げに入れましたけど。どうして私がこのスパゲッティにバターを入れてないとあなたは思ったんですか?」
などと、そのコメントに返信したでしょう。しかしソーシャルメディアでのコミュニケーションなんてそんなものです。実際に会ったこともないような人に見られる可能性のある設定をしているのなら、このようなリスクは想定内の出来事です。したがって、完全に話を噛み合わせようとせず、この「ズレ」を楽しむ余裕が必要なのです。
したがって、
「ありがとうございます。仕上げにバターですか! それは思いつきませんでした。今度試してみます!」
と、相手に話を合わせるのです。実際はバターを入れているので、事実に反することですが、これぐらいの柔軟性がないのであれば、SNSで他人と交流を持つのはやめたほうがよいでしょう。少しばかり「しっくり」こないことがあっても、
「なるほど! こういうコメントがくるとは思わなかった。勉強になるなァ」
と楽しむぐらいの余裕を持ちたいですね。TwitterやFacebookなどで「コミュニケーショントラブル」に発展させない、心がけについて書いてみました。