話が噛み合わない「いい人」の見つけ方
なかなか「話が噛み合わない」人がいます。こちらの言っていることを誤解したまま反論したり、自分の思い込みで話を進めたりする人、あなたの周りにはいませんか。表面的なコミニケーションならともかく、何らかの悩みを相談したいときには困りますよね。
しかし、時と場合によっては、
●「話が噛み合う」 → OK
●「話が噛み合わない」 → NG
にならないことも覚えておきましょう。
誰かから効果的なアイデア、切り口、視点をもらうことで、新たな「気づき」を得たいという人には、「話が噛み合う人」に話を聞いてもらったほうが良いでしょう。しかし、自分のペースで、自分で喋って、自分自身で「気づき」を得たい人にとっては、「話が噛み合わない」人のほうが良いときもあります。
なぜなら、根っからの「いい人」は話が噛み合わない人が多いからです。次のAさんとBさんの会話を読んでみてください。
A:「先日、会社で上司にめちゃくちゃ怒られちゃった。すごく落ち込んでいて、どうしたらいいかわからない」
B:「へえ。でも、期待されてるからだよ」
A:「そんなことないって。職場では私ばかり怒られてるんだから」
B:「高校時代も、部活のキャプテンから期待されてたでしょう?」
A:「そりゃあ、そうだけど。あの時はキャプテンからそんなに怒られなかったと思う」
B:「そういえばあのキャプテン、今どうしてるか知ってる?」
A:「え、なになに?」
B:「芸人の見習いやってるんだって! あんなに熱血体育会系だったのに」
A:「何それぇ~」
B:「笑えるでしょう?」
A:「笑えるとかじゃなくって、私の話、聞いてる?」
B:「聞いてるって! さっきから真剣に聞いてるじゃないの」
A:「本当にぃ? もう~」
B:「ドンマイ、ドンマイ!」
A:「ドンマイ、って言われてもさァ」
B:「その上司から期待されてるんだって、間違いないよ。ドンマイ!」
A:「もういいよ……。でも、ありがとう、なんだか少し元気になってきた」
B:「そう?」
A:「うん。なんだかんだ言っても、私に問題があるんだから、まずはキチンと自覚してやっていこうと思う」
Aさんの話の論点は「上司から頻繁に怒られて落ち込んでいる。どうしたらいいのか相談したい」です。にもかかわらず、Bさんはその問題解決に力を貸そうとしているように見えません。BさんなりにAさんを勇気づけようとしているのでしょうが、話が噛み合っていないのです。しかし結果的にAさんは癒されて元気が出てきました。そして自分なりの気付きを得たようです。
相性の問題もあるでしょう。しかし、話が噛み合わない人のほうが「いい人」の場合もあります。会話の「ゆがみ」を整えようとする人と話していると、直立不動の姿勢を強いる人と接している感覚を覚えるからだと思います。
とはいえ、もちろん「話が噛み合わない人」はみんな「いい人」かというと、そうではありません。根っからの楽天家でポジティブ、あまり深く物事を考えない人は「いい人」になるでしょう。しかし、押し付けがましく、威圧的で、人の話を聞かないような「話が噛み合わない人」は、強烈にNGです。
話を聞いてくれるだけでいい、という人は、「話が噛み合わない人」で「楽天的な人」を見つけてみましょう。