絶対達成する「プレゼン」のやり方

「絶対達成」マインドを持つために

私は現場に入り込んで、企業の目標を「絶対達成」させるコンサルティングをしています。「最低でも目標を達成させる」というわけですから、組織のメンバー全員が、目標は単なる通過点であり、達成は当たり前だ、という感覚を持つことが重要です。「目標を絶対達成しろ、と言われても難しいかもしれない」「達成できないときだってある」という感覚を持っているのであれば、絶対達成が困難になるだけでなく、その道程において強いストレスを感じ続けるからです。

目標を絶対達成させるために、私どもは「予材管理」と呼ばれる独自のマネジメント手法を利用しています。が、その前に、「メンバー全員が、目標は単なる通過点であり、達成は当たり前だという感覚」を持つことが大事です。そのため、毎回「全員プレゼンテーション」をしてもらっています。今回はその「プレゼン」の手法を紹介します。

プレゼンを構成する内容は大きく分けて2つです。「目標」と「アクションプラン」。これを「ホールパート法」と呼ばれるコミュニケーション技法を使ってプレゼンします。

目標の設定について

まず、目標に関する留意点を3つ列挙します。

● 達成したイメージを要素分解して表現する

● 客観的な数字を使う

● 否定語を使わない

「達成したイメージを要素分解して表現する」というのは、「いつまでに」「誰と」「何を」「どこで」「いくら」といった要素に分解する、ということです。企業の営業目標であれば、「私の目標は年間売上3億円、利益2000万です」となります。簡単ですね。しかし、このように明確な目標を持っていない人もまた多いのも事実です。

たとえば、「部下を育成する」「業務を効率化する」「組織風土を改革する」といったものは、スローガン的なものであり「目標」とは呼べません。ぼかし表現をつかったスローガンだと、どうなれば達成し/達成しなかったのかが理解しづらいのです。個人の目標でも同じことが言えます。「お金持ちになる」「株で成功する」「起業して、東証一部上場の会社を作る」といった類も、要素分解して表現しなければなりません。

次に、分解した要素ごとに数値化していきます。たとえば「業務効率化する」というスローガンなら、「6ヶ月後には、現在の月の平均残業時間を60時間から20時間にする」といった感じにします。こうすれば目標らしくなります。

「否定語を使わない」というのは、「残業をしない」「貧乏にはなりたくない」といった表現のことです。「どうならないのか」ではなく「どうなるのか」を目標にします。

具体的には、「組織の業務効率化を実現する」というスローガンであれば、「2015年の12月末までに、山田の残業を25時間、田中の残業を20時間、木村・鈴木・佐藤の残業を10時間以内にする」などと変換します。誰が、いつまでに、何を、どうしているのか……を、数字で使って表現するのです。

アクションプランとホールパート法

「アクションプラン」についてです。同じように曖昧な表現を避け、客観的なデータに基づく数値表現で行動計画を作ります。これを「ホールパート法」を使ってプレゼンするのが、今回ご紹介する「絶対達成プレゼン」です。

「ホールパート法」は、誤解されない、わかりやすい伝え方・話し方「ホールパート法」で解説しました。「ホールパート法」とは、最初に話の全体像(WHOLE)を相手に伝え、それから話の部分(PART)を説明する話し方です。相手の「頭」を整理させるうえで、とても簡単で効果的なコミュニケーション技法。先ほどの「組織の業務効率化を実現する」のスローガンであれば、

「私の目標は、2015年の12月末までに、山田の残業を25時間、田中の残業を20時間、木村・鈴木・佐藤の残業を10時間以内にすることです。そのためのアクションプランは3つ。1つ目は、役割分担を明確にすること。2つ目は、資料フォーマットを統一化すること。3つ目は、時間外労働の承認プロセスを見直すことです。まず1つ目の役割分担についてですが、今月の12日までに現在の業務を7種類に分解し、それぞれの作業を――」

このように「目標」を話の「幹」とし、「アクションプラン」の項目を「枝」にし、「アクションプラン」の具体的な行動計画を「葉」にして、全員の前でプレゼンをするのです。簡単そうに見えるかもしれませんが、意外と簡単ではありません。3分以内で話せるよう、何度も繰り返し、すらすらと言えるようにしましょう。

プレゼンの目的は「絶対達成マインド」の醸成

このプレゼンの目的は、

「メンバー全員が、目標は単なる通過点であり、達成は当たり前だという感覚」

を持つことです。誰かにわかりやすく伝えるためではなく、自分の「頭」を整理することが目的であることを忘れてはいけません。

それでは「達成が当たり前」の感覚を持つにはどうすればよいのでしょうか。そのためには、前述した「目標」+「アクションプラン」をすべて脳の「ワーキングメモリ」に常駐させることです。脳をワーキング状態にする、ということです。

前述したプレゼンをすべて覚え、何も見ずにすらすら言えるようになると、脳のワーキングメモリに常駐されていきます。「すらすら言える」ことがとても重要です。「ええと……」と考えるようでは、ワーキングメモリではなく、まだ脳の「長期記憶」に入っている証拠です。それどころか何かを見ながらでないとプレゼンできない、という状態なら、データが「長期記憶」にもなく、「外部記憶」にアクセスしないと話せないという状態です。目標達成意識が低く、当事者意識が足りません。何事も他人事になっていて、とても「目標達成が当たり前の感覚」からは程遠い、と言えるでしょう。

脳をワーキング状態にすることで、無意識のうちに脳が処理するためのデータを欲するようになります。脳の長期記憶にアクセスし「考える習慣」が身につきます。もしも脳の長期記憶にアクセスしてもデータが見つからないのであれば、外部の記憶装置を頼ろうとするでしょう。誰か、その答えを持ってそうな人を探したり、専門書を読んだり、セミナーや研修を受けようと思うのです。この行動の積み重ねが、結果的に目標達成を引き寄せていきます。

冒頭に「ストレス」のことを書きました。目標の「絶対達成」と聞いてストレスを感じる人は、何が目標で、その目標を達成させるためにどんな行動が必要か、脳の「ワーキングメモリ」に入っていません。脳が「スリープ状態」になっているため、誰かから「目標を達成しろ」と言われたり、何かをキッカケに「目標を達成しないと」と思い出したりするたびにストレスを覚えます。眠っているとき、たたき起こされるような感覚を得るからです。

脳を「スリープ状態」から「ワーキング状態」にすることで、ストレスなく、常に目標達成が当たり前、とうい感覚が手に入っていきます。喋り方、話す姿勢や態度が上手でなくてもかまいません。正しい目標とアクションプランを設定し、多くの人の前で「ホールパート法」を使ったプレゼンテーションし続けてみてはいかがでしょうか。知らぬ間に脳が「ワーキング状態」になっていきます。

(※ 脳のワーキングメモリを使って願望を実現する手法は、「引き寄せの法則」を脳のワーキングメモリで考えるで解説しています)

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。メルマガ「草創花伝」は4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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