他人の目が気になる人の特徴と対策
感情のコントロールができない人の特徴と対策、やる気が出ない人の特徴と対策、小さなことにくよくよする人の特徴と対策に続く第4弾。今回は、他人の目が気になる人の特徴と対策について解説します。
他人の目が気になる、自分がどう見られているか気になる、という人がいます。他人の目をまったく気にしないのも問題でしょうが、過剰に気にし過ぎるのはツラいことでしょう。たとえば、隣に座る先輩社員のデスクがまるで整理されていない。いつも片付いていたほうが気持ちよく仕事ができるだろうにと、いつもそのように感じているとします。しかし、なかなかそのことを指摘できません。もしそんなことを言うと、私は先輩にどのように見られるだろう。「毎日俺のデスクの上を気にしてたわけ? 気持ち悪い~」「いちいち厚かましい人だな。俺は君の彼氏じゃないんだぞ」……そんな風に思われてしまわないだろうか。でも、悪いことをしてるわけじゃないんだから私が責められるのはおかしいし。でも……などと、自分がどのように見られるかが気になるため、ウジウジ考え混んでしまいます。
他人の目が気になるタイミングは、分解すると3パターンあると私は考えます。
●何らかのアクションをする「前」
●何らかのアクションをした「後」
●何もアクションをしていない時も「四六時中」
何らかのアクションをする「前」は、「こんなことをしたら、他の人からどう思われるだろう」「こういったら、何を言われるかわからないな……」と、未来の出来事を必要以上に想像して思い悩みます。何らかのアクションをした「後」なら、「あんなことしたけど、みんな私のことどう受け止めただろう?」「やっぱりあんな風に言わないほうがよかったかも」と過去の出来事をやたらに後悔します。いっぽう、何もアクションをしていない時も「四六時中」、他人の目を気にする人は、現時点の自分の仕事ぶり、感情の持ち方、身なり、言動や状態など、すべてにおいて正しいのか正しくないのか、周囲から異端と見られていないかイチイチ確認したくなります。しかし確認しようにも、確認しようとする行為そのものが印象を悪くする可能性があると思い込んでいるため、かなりツラい毎日を送ることになるでしょう。
他人の目を気にし過ぎているということは、認知バイアスにかかりやすくなっているということです。目の前で起こっている事実を正しくとらえられず、ネガティブな記憶や体験ばかりを引き出しては「反すう」する癖がついてしまっているからです。論理的思考能力が減退し、記憶の引き出し方にも問題が発生しやすくなるでしょう。そのため、言わなくてもいいことを口にしてしまうこともあります。何かをアクションする前なら、
「私は別に気にしてないの。私は本当に気にならないんだけど、あなたが周りの人に変な風に思われるといけないから、あえて言わせてもらうけど……」
……などと、妙な前置きをしてしまいがちです。何かをアクションした後なら、
「嫌な気持ちになったかもしれないし、私をヒドイ人だと思ったかもしれない。でも、やっぱりそうしたほうが、あなたのためだと思って、今回はあえて言わせてもらった」
……などと、妙な弁解や申し開きをはじめてしまうケースもあります。それを聞いた相手が、
「は? 何を言ってんの?」「気にし過ぎでしょう?」
という反応を返してくると、その反応を見て、また落ち込むことになるかもしれません。「やっぱり私は変な人、と見られてるのかも」と思い悩む回数が増えてしまいます。
他人の目や評価を気にし過ぎている人は「他人の人生を生きているようなもの」と言われます。他人が想像していること、受け止めた感じ方を、当人が考え、想像するのです。よくよく考えればわかるとおり、同等に等しくなる可能性は低いと言えるでしょう。つまり、他人が自分をどう見ているかなど、正しく推し量ろうとすること自体、一定量の限界があるということです。
NLP(神経言語プログラミング)でとても有名な言葉があります。それは「起きている出来事はすべて無色透明」という言葉です。あの人はこう思っているに違いない。この人はこんな風に受け止めたに違いない……などと、自分の勝手な「色合い」を着けるのではなく、すべて「無色透明」と捉えるのです。何の色にも染まっていない。無色透明だ。変なフィルターを通して私を見ることない、と考えましょう。そうして自分の状態管理(ステイトコントロール)を正しくしていくのです。話さないで印象を良くする方法……「マイオーラ」をアップさせる技術に書いたように、マイナスの発言を減らし、プラスの行動を増やしましょう。