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1分間で感情を抑える小さな小さな「おまじない」

横山信弘経営コラムニスト

人には感情を抑えられないときがあります。たとえば理不尽なことで上司に怒られたとき。スマホのゲーム「パズドラ」に熱中してやめられないとき。LINEメッセージが「既読」なのに返信が全然ないとき。ダイエットしているのに美味しそうなチョコレートケーキを見たとき……等。感情を抑えられずに、言わなくてもいいことを言ってしまったり、買わなくてもいいものを買ったり、やめたほうがいいものを続けてしまったりする経験は、誰にでもあります。

感情を抑えるためには、「よくよく考えると……」と自分に問いかけることをお勧めします。「おまじない」のようなもの、と受け止めてください。「よくよく考える」ということは、現在目の当たりにしている事象から遠ざかって客観的に見つめなおす、というニュアンスがあります。今まさにしようとしている判断の基準とは、また別の角度からの基準でもって「よくよく考えると……」と考察します。

会社の理念、自分が大切にしているポリシー、家族全員が大切にしている価値観等と照らし合わせて見つめなおすのです。理性を失わないために、です。

衝動的に行動してしまう人は、脳のワーキングメモリーのスコアが少し低い傾向にあるようです。ワーキングメモリーは、情報に優先順位をつけたり、重要な事柄に集中するために必要な機能です。このワーキングメモリーのスコアが低いと、すぐに得られる小さな報酬に飛びついてしまいます。思考にクッションがなく、「壁打ちの壁」のように反射的に判断してしまう癖があるということです。

うまく感情を抑えられない人は、まず火がついた怒りやイライラを一瞬だけ抑える「衝動コントロール」の方法で紹介した「グラウンディング」などの技術を使って、自分の意識をいったん外に向けます。そして1分ほど「間」をとり、「よくよく考えてみると……」と自分に問いかけてみましょう。もし可能なら、メモ帳を取り出して実際に「よくよく考えてみると」と書いてみてもいい。そして、よくよく考えてみて、「パズドラを続けたほうがいいのか」「ネットの掲示板にネガティブなコメントを書いたほうがいいのか」「友人にLINEで文句を書いたほうがいいのか」等を書いていきます。感情を抑えられないときは、メモをするだけで意外と冷静になり、今まさにしようとしている判断が正しいのかどうかを客観視できるようになります。

たとえ、よくよく考えてみる、ということが正しくできなくとも、「よくよく考えてみると……」という自分への問いかけは習慣化したいですね。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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