ビジネスで成功する人、成功しない人との格差がドンドン広がる2つの理由
ビジネスで成功する人、成功しない人との2つのポイント
昨日、大相撲では鶴竜が初優勝し、横綱昇進を確実にしました。白鵬、日馬富士と並び、モンゴル出身の3力士が横綱となる時代がやってきます。いっぽうで「日本人は努力が足りない」「ストイックさが不足している」と言った声も上がっています。日本人力士の努力が足りないとか、そういう話は別にして、ビジネスにおける現代の「成功者」というのは、モンゴル力士ほどのハングリー精神や砂を噛むような努力が必要かというと、まるでそういうものを持ち合わせていなくても成功するケースが増えてきているのも事実。現代は、それほど凄まじい精神力がなくとも成功を手に入れている人がゴロゴロいるのです。
どのようにしてビジネスで成功するかという「成功法則」は、高度情報化時代となり、巷にあふれ返っているからです。「逆説の成功法則」~ これまでの成功法則では成功できなかった人たちへで書いたとおり、昔は一握りの成功者しか知り得なかった方法論が、現代は書籍やセミナーを通じて簡単に手に入るようになっています。膨大な時間をかけて試行錯誤を繰り返し、成功の法則を自分の手で見つけ出さなくても済むようになりました。
しかし昔と変わらず、成功する人もいれば、成功しない人も同様にいることも事実です。なぜなのか? ポイントは2つあると私は考えています。(※ 今回扱う「成功」という定義は、富や名声、権力を手に入れることとします。会社から与えられた目標達成とは別次元のことであり、この手の「成功」に興味のない人は読み飛ばしてください)
(1)「成功法則」を知るまでの時間がショートカットした
(2)「成功」に向けた行動を阻害するノイズが増えた
成功する人と成功しない人との「格差」は広がるいっぽう
高度情報化時代になり、過去と比較して、素晴らしい「成功法則」がグッと身近になりました。にもかかわらず、ノイズのような「成功法則」はもっと身近になってしまったため、結果的にうまくいく人とそうでない人との比率が、過去に比べて変わらないという状態になっているのだと私は思います。
それどころか、現代の成功する人は情報収集能力が高く、行動力もあるため、価値のある方法論を逃さずキャッチし、すかさず行動してドンドン成功への道を駆け抜けていくでしょう。ですから若くして成功する人が増え、「僕でもこんなに簡単に成功した」「私でも成功したからあなたも必ずできる」と言い出す人が増えるのです。
しかし、成功しない人はストレス耐性が低く、うまく感情のコントロールができません。手に入れた「成功法則」に習って行動をしようとしても、なかなか期待通りの成果などすぐ手に入らないものです。昔なら、それでもトライ&エラーを繰り返して成功するまでやり続けた人もいるでしょうが、現代は、人を迷わせるノイズが多すぎて、すぐに行動をやめてしまいます。ネットで検索すれば「ラクして儲かる」といった射幸心を煽るキャッチフレーズが膨大にあり、ついつい惑わされてしまいます。
成功したくても成功しない人の思考は、こうです。
「自分が成功しないのは、どこかに必ず自分にシックリくる成功法則があり、それをまだ自分が知らないからだ」
「知らないから成功しない」と思い込んでいると、宝探しの旅は終わりません。昔と異なり、検索しようと思えば際限もなく検索できる時代です。まだ見ぬ「成功法則」を探し回ることで、自分が「行動している」と錯覚してしまうことは愚かなことです。
フェイスブックやツイッター等のソーシャルメディアが発達し、成功者と成功者はドンドン繋がっています。互いに情報交換を繰り返してさらに富を拡大していきます。そして彼ら彼女らが「こんなにラクに成功できる。みんなももっと成功しよう」と惜しげもなく次々とテクニックを披露し、次から次へと新しい「成功法則」が生成され、ネット上にあふれ返ることとになります。しかし、成功しない人は今も昔も同じ。そういった情報を受け取るためにお金と時間を費やすだけですから、いっこうに成功しません。情報過多の時代、両者のギャップは広がるいっぽうです。現代は、ストイックさ、ハングリー精神が必要なのではなく、いかにしてノイズをシャットアウトするか。キラキラ系の綺麗ごとに惑わされず、感情のコントロールするか。この能力が必要になってきていると私は考えます。