ダメ上司の驚くべき「精神論・根性論」ランキング5
ダメな精神論・根性論とはどんなものか?
何らかの目標を達成させる場合、絶対に達成させようという「気持ち」は不可欠です。ロジックや理屈は必要ですが、それだけで達成するわけではありません。しかし、その場しのぎの精神論であれば、再現性がない。その指導でうまくいったか、うまくいかなかったかの検証ができないのです。とりわけ以下のような精神論・根性論は部下に、かなりの精神的苦痛を与えるでしょう。「ブラック企業」という言葉が取りざたされる昨今、何気なく使っている人たちはいませんか。
● 過剰な労働を強いる言説
● 再現性のない「たとえ話」
● 根本的に間違っている理屈
これらのポイントを踏まえたうえで、私がこれまで耳にした「ダメ上司」の驚くべき根性論・精神論フレーズをランキング形式で紹介します。
(ランキングは、「新入社員が言ってはいけない言葉ランキング10」「会議での「NGワード」ランキング10」と同様、著者の独断と偏見で決めています。順位にあまり意味がなく、コラムを読みやすくするための仕掛けだと受け止めてください)
5位 「若いうちは、誰よりも夜遅くまで残って仕事するもんだ」
仕事と生活との調和――「ワークライフバランス」が重視される昨今、このような考え方が受け入れられることは、まずあり得ません。すでに絶滅しかかったフレーズですが、いまだ使う人がいるため5位にランクイン。
4位 「胃に穴の1つや2つあけないことには、一人前になれない」
説明不要。言語道断の考え方です。
3位 「頭で考えようとするからダメなんだ。体が感じるままにやれ」
なかなか契約をとることができない営業に向かって、部長が発した一言。何を言っているのか、おそらく本人もよくわからないのではないか、と思われるフレーズ。このようなことを言われ続けると部下は頭を混乱させます。
2位 「成功したいなら家庭を作るな」
ジョークのような一言です。スポ根漫画ではなく、ハードボイルド小説の読みすぎか。「つるむな、孤高でいろ」「男なら孤独を楽しめ」とでも言いたいのでしょう。家庭を持たないことと、成功できることとの因果関係がわかりません。
1位 「ゾンビを見習え!」
要するに「死ぬ気で行け」ということです。いくらたとえ話とはいえ、部下に「ゾンビ化」を持ちかけようとする上司の発想には閉口します。ある会社の営業本部長が実際に発した一言です。忘れられないフレーズですので、勝手ながら1位としました。
繰り返しますが、気合や根性は必要です。
しかしそのベースには正しい戦略や数値化した仮説、行動計画がなければいけません。論拠の乏しい精神論のみで部下を鼓舞するのは控えましょう。また、長時間労働と目標達成度合いは比例しないことも心に留めておきましょう。もしも比例するようであれば、現在推し進められている戦略や仮説が間違っています。目標ノルマと、総労働時間から逆算した戦略立案が必要です。