なぜ人は酒を飲んだ後にラーメンを欲するのか

夜の闇が食欲を喚起してしまう。
夜の闇が食欲を喚起してしまう。

 なぜ人は酒を飲んだ後にラーメンを食べたくなるのか。一説によれば、酒を飲むことにより人間の身体はアルコールを分解するが、その時に糖がエネルギーとして使われるため、糖質を欲するのだそうだ。

 しかし、夜の闇もまた食欲を喚起する。食べてはいけないと分かっていながらも、深夜にラーメンを食べてしまう背徳感。人間とは駄目と言われていることこそ思わず惹かれてしまう性質がある。深夜に営業しているラーメン店は、そんな愚かな私たちの習性と欲望と背徳感を刺激する。

 京都の夜は長い。祇園、木屋町、先斗町、河原町など、京都には魅力あふれる夜の街が多い。今回も前回に引き続き、京都のラーメンを食べる上で欠かすことの出来ない、深夜に営業する人気ラーメン店3軒をご紹介しよう。京都の夜の締めで食べるべき、京都の深夜ラーメンとは。

京都ならではの背脂醤油ラーメン『麺や轍』

京都ならではの背脂醤油ラーメンを提供する『麺や轍』。
京都ならではの背脂醤油ラーメンを提供する『麺や轍』。

 京都の夜の歓楽街、祇園の入り口。四条縄手を上がったところにある洒脱な作りの店が『麺や轍』(京都府京都市東山区廿一軒町227)。元は日本酒バルとして開業したが、ランチに出していたラーメンが好評となり、昼から明け方までラーメンが食べられる店になった。

 レモンのスライスが敷き詰められた「檸檬塩そば」やまぜそばも人気だが、やはりまず食べておくべきは「背脂醤油そば」。1805(文化2)年に創業した老舗醤油蔵『松野醤油』の醤油を使った醤油ダレに背脂をたっぷり浮かべたスープ。古き良き京都のノスタルジックラーメンをブラッシュアップした一杯だ。

優しい味わいの鶏白湯ラーメン『門扇』

店舗のみならず祇園の出前でも知られている『門扇』。
店舗のみならず祇園の出前でも知られている『門扇』。

 祇園縄手通りに本店を構える『門扇』(京都府京都市東山区弁財天町8)は、飲んだ後の締めだけではなく、祇園のバーやクラブへの出前でも知られる人気店。店で食べたことはないが、出前では食べたことがあるという人も少なくないだろう。朝5時まで営業している祇園本店の他に、木屋町や伏見にも支店を構えている。

 鶏ガラと野菜をじっくりと煮込んだスープは、口あたりがマイルドでクリーミーな味わい。鶏チャーシューはしっかりと味の染みたもの。カレーラーメンや酒粕ラーメンなどの変わり種ラーメンのほか、カレーライスなどのご飯もの、さらにおつまみメニューも豊富にあるので、飲み直しにも最適な店だ。

深夜の東山に出来る行列『マルシン飯店』

飲んだ締めのラーメンというよりも、京都の夜の締めに行くべき店『マルシン飯店』。
飲んだ締めのラーメンというよりも、京都の夜の締めに行くべき店『マルシン飯店』。

 東山三条の交差点を下がった西側に、昼夜を問わず出来る行列。1977(昭和52)年創業の中華料理店『マルシン飯店』(京都府京都市東山区南西海子町431-3)は、昼は地元客から観光客、夜は祇園などの酔客まで幅広い客層に愛されている人気店。飲んだ締めのラーメンというよりも、京都の夜の締めに行くべき店としても認知されている場所だ。

 町中華なのでメニューが豊富だが、中でも食べるべきは国産素材を使った餃子。さらに「天津飯」は「マルシン飯店の天津飯は飲み物」と言われるほどの逸品。「ラーメン」は中華料理店らしく、軽めのスープを使ったあっさりさっぱりとした醤油味。食べるべきメニューが多いこの店で、ラーメンまでたどり着くのはある意味で貴重かも。

 なぜ人は飲んだ後にラーメンを食べたくなるのか。それはそこに開いているラーメン店があるからだ。今回ご紹介した3軒は、いずれも深夜まで客足の絶えない人気店ばかりだが、コロナ禍の影響で早仕舞いをしている場合もあるので、酔いが回る前に営業時間をしっかりと確認してから足を運んで頂きたい。

※写真は筆者によるものです。

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