この夏に食べるべき「革新的」な麻婆麺とは?

「箸とレンゲ」(阿佐ヶ谷)の「ぶどう山椒の麻婆麺」。麻婆麺は新たなブームへ。

担々麺の次に来るのは「麻婆麺」だ

「蒙古タンメン中本」の登場が辛麺ブームに火を付けた。
「蒙古タンメン中本」の登場が辛麺ブームに火を付けた。

 夏になると「辛い麺」が恋しくなる人も多いだろう。ここ数年、東京を中心に辛い麺を出す店が加速度的に増えているが、その先駆となったのが「蒙古タンメン中本」であることは間違いないだろう。辛い豆腐餡がたっぷりと乗ったオリジナルの「蒙古タンメン」がブレイクし、いまだ店の前には長い行列が出来ている。その後、急速に増えたのが「担々麺」専門店。中華料理の一メニューだった担々麺を主役にした専門店が次々と登場し、一躍担々麺ブームが起こったのは記憶に新しいところだ(関連記事:「担々麺」が日本で独自に進化し続ける理由とは?)。

2018年3月オープン「中華ノ麺 Xing fu」(高円寺)の「麻婆豆腐麺」は自家製豆腐を使用する。
2018年3月オープン「中華ノ麺 Xing fu」(高円寺)の「麻婆豆腐麺」は自家製豆腐を使用する。

 そして今、ポスト担々麺として注目を集めている辛い麺が「麻婆麺」である。「麻婆麺」とはその名の通り麻婆豆腐や麻婆餡が乗った麺のこと。ブーム以前より麻婆豆腐をご飯の上に乗せた「麻婆飯」同様、街の中華料理店では時々見られるメニューではあったが、ここ最近の辛麺ブームに押される形で創意工夫あふれる、今までにない革新的な麻婆麺を提供する店が増えている。ラーメン評論家として、担々麺の次に来る辛い麺は麻婆麺だと断言しても良いだろう。今、麻婆麺が熱くて面白い。

アメリカから逆輸入した「白い麻婆麺」

「成都正宗担々麺 つじ田」(小川町)の「killer noodle」は胡椒が効いた白い麻婆麺。
「成都正宗担々麺 つじ田」(小川町)の「killer noodle」は胡椒が効いた白い麻婆麺。

 つけ麺ブームを牽引してきた人気ラーメン店「つじ田」が手掛ける担々麺業態「成都正宗担々麺 つじ田」(小川町)の「killer noodle」は、なんと真っ白な麻婆麺。こちらは担々麺業態がアメリカに進出した際に考案したオリジナルメニューを日本に逆輸入。個性的なビジュアルの白い麻婆豆腐には、麻婆豆腐には欠かせない山椒を使わず、代わりに胡椒の辛さを使うことで従来の麻婆豆腐にはないスパイス感と香りを創出させた。味の変化をつけるために途中で添えられたレモンを絞るのは、つけ麺にすだちを添えるつじ田らしい演出だ。

「箸とレンゲ」(阿佐ヶ谷)の「ぶどう山椒の麻婆麺」はぶどう山椒とケールがポイント。
「箸とレンゲ」(阿佐ヶ谷)の「ぶどう山椒の麻婆麺」はぶどう山椒とケールがポイント。

 「麺や庄の」「GACHI」など数々の人気ラーメン店を展開する「MENSHO」グループの新店「箸とレンゲ」(阿佐ヶ谷)の「ぶどう山椒の麻婆麺」は、和歌山県有田の「ぶどう山椒」を使用。鶏とケールが溶け合った深い旨味のスープに爽やかなぶどう山椒の風味が加わり、さらに店主自ら産地まで足を運んで探した新鮮な野菜もたっぷり採れるヘルシーな一杯。店内の石臼で挽いた国産小麦を使い、挽きたての小麦の香りを楽しむことができる自家製麺も合わせて楽しみたい。

背脂とカレーと麻婆が禁断のマリアージュ

「辛っとろ麻婆麺 あかずきん」(祖師ケ谷大蔵)の「背脂●哩麻婆麺」はインパクトある一杯。
「辛っとろ麻婆麺 あかずきん」(祖師ケ谷大蔵)の「背脂●哩麻婆麺」はインパクトある一杯。

 西馬込の人気店「麺処鳴声」によるセカンドブランド「辛っとろ麻婆麺 あかずきん」(祖師ケ谷大蔵)で人気の一品が、「背脂●哩麻婆麺」(●=口に加)。麻婆麺と背脂煮干し中華そばを提供している店だからこそ出来た背脂と麻婆の組み合わせだが、さらにそこにカレーが加わることでインパクトがさらに強まった唯一無二の麻婆麺が生まれた。濃厚で粘度のある背脂カレー麻婆スープは、麺を引き上げるごとにガッツリと絡んでくるのでレンゲ要らず。残ったスープにご飯を投入すれば最後の一滴まで楽しむことができる。

 担々麺に負けず劣らず麻婆麺の世界も魅力的で奥深い。麻婆麺とひと言では括れない、個性豊かな麺の数々が続々と登場している。この夏はぜひ新たな麻婆麺の世界へと足を踏み入れて欲しい。もう一度言う。今、麻婆麺が熱くて面白い。

【関連記事:あの人気店がコラボレーションした「究極の担々麺」とは?

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※写真は筆者の撮影によるものです。