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Bluesky「招待制終了」で登録者が急増 ここから盛り上がるか

山口健太ITジャーナリスト
招待制を終了した「Bluesky」のアプリ(筆者撮影)

2月7日(日本時間)、分散型SNSの「Bluesky」が招待制を終了し、ユーザー登録を一般に開放したことが話題になっています。

X(Twitter)やInstagramの人気が続く中で、ここからBlueskyが盛り上がる可能性はあるのでしょうか。

招待制終了で400万人を突破

Blueskyのユーザー登録にはこれまで招待コードが必要でしたが、これが一般に開放されたことで登録者が急増。1日で80万人(Xへの投稿時点では85万人)以上が登録し、400万人を突破したといいます。

Blueskyは2023年春に多数の招待コードを発行したとされ、日本でも話題になりました。その後はTwitterからXへのブランド変更で混乱が生じたことがあり、Blueskyをもっと早くオープンにしてほしいとの声が相次ぎました。

しかし当初のBlueskyは、独自のプロトコルを用いたSNSの実験的なアプリのような位置付けで、多くのユーザーを受け入れる態勢ではなく、招待制として人数を物理的に絞っていたようです。

その後、2023年夏には新たな資金調達により、Twitterが資金を提供して始まったプロジェクトという過去と決別。モデレーションやインフラの整備により、6月に10万人だったユーザーは9月に100万人を突破しています。

12月には、BlueskyにログインすることなくWeb上で投稿を閲覧できるようになりました。アカウントを持っていない人でも検索エンジンなどから投稿にアクセスすることができたわけです。

招待制の終了により、日本のiOS用App StoreにおいてもBlueskyのアプリが1位になるほど盛り上がりを見せています。背景として考えられるのが、Xやイーロン・マスク氏に不満を持っている人の多さです。

Bluesky側もそのあたりを意識しているのか、オープンなネットワークであることを強調。「億万長者の意向に左右されない」(billionaire-proof)と表現しています。

その具体的な機能が「フェデレーション」です。まずは実験的なバージョンという位置付けですが、2月末からは自分で立てたサーバーを本番稼働中のネットワークに接続できるようになるといいます。

将来的には、それぞれに異なる運営方針を持った大小さまざまなサーバーがつながる分散型のSNSになり、フォローやフォロワーの関係は維持したまま、サーバー間を移れるようになるというのがXとの大きな違いになりそうです。

追記:
2月22日(米国時間)、Blueskyはフェデレーションの早期アクセスを発表しました。また、似たような機能を提供するマストドンとの違いとして、さまざまなサーバーから集められたグローバルな会話に参加できること、サーバーを変更してもユーザー名やフォロワーを維持できること、モデレーションはサーバーごとではなく別レイヤーとなっていることなどが説明されています。

SNSの「ネットワーク効果」超えられるか

一般に、SNSのようなサービスは大勢の人が使えば使うほど価値が高まる「ネットワーク効果」が働くとされています。

逆にいえば、新しいSNSは参加者が少ないために魅力がなく、それゆえに新しいユーザーを呼び込むのが難しい状況に陥りがちです。

とはいえ、最近ではメタの「Threads」の月間アクティブユーザーが1億3000万人に成長。独自の使い方を提案する「BeReal」もZ世代に人気があるとされています。

いまのところBlueskyにはSNSとして際立った要素がない印象を受けますが、使い勝手がXに近いことから、Xにトラブルが生じたときの避難先として考える人は増えそうです。

一方、多くの人がXからBlueskyに移行してしまうと、BlueskyにもXと同じような問題やトラブルが持ち込まれるのではないか、という懸念もあります。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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