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ソフトバンク新料金 条件付きの「無制限」に疑問の声

山口健太ITジャーナリスト
新料金プラン「ペイトク」(ソフトバンク提供資料より、筆者撮影)

ソフトバンクが10月3日から提供を始めるスマホ新料金プランを発表しました。特徴として「PayPay」連携によるポイント還元が注目されています。

一方、「無制限」プランは200GBで速度が制限されるようになることから、プラン名に疑問の声が上がっています。

条件付き「無制限」に疑問の声

新料金プラン「ペイトク」の特徴はPayPayとの連携です。基本料金は上がる一方、PayPayの利用で最大5%分が上乗せされ、毎月最大4000円相当のポイントを獲得できるようになります。

しかし、ソフトバンクによる発表後には、SNS上でプラン名に疑問の声が上がりました。「無制限」という名前なのに、実際には無制限ではないという指摘です。

これは今回から導入される新たな速度制限を指しています。「ペイトク無制限」では、月間のデータ通信量が200GBを超えた場合、その月の通信速度は送受信時最大4.5Mbpsに制限されます。

「ペイトク無制限」に添えられた注意事項(ソフトバンクのWebサイトより、筆者作成)
「ペイトク無制限」に添えられた注意事項(ソフトバンクのWebサイトより、筆者作成)

200GB超過後に速度制限がかかる(ソフトバンク提供資料より)
200GB超過後に速度制限がかかる(ソフトバンク提供資料より)

この制限は従来の「メリハリ無制限」には適用されないものの、新規の申し込みは10月2日で終了。10月3日から始まる新プラン「メリハリ無制限+」を契約する場合はこの制限が適用されます。

なぜ、このような速度制限を導入するのでしょうか。ソフトバンクによれば、インフラが逼迫している状況ではないものの、わずか0.3%の人が200GB以上のデータを利用し、データ利用量全体の6%を占めていることから、公平性のために導入するとのことです。

また、仮に200GBを超過した場合でも、送受信時最大4.5Mbpsという速度は、「通常利用に影響のない範囲」と説明しています。

「通常の動画、SNS等ではほとんど支障のない速度制限かと思っている。ただ、一部には非常に大きなデータ量を流すお客様がいる。そのバランスを取り、お客様への影響を最小限にしながらコストを削減する中長期的な取り組みだ」(ソフトバンク専務執行役員の寺尾洋幸氏)

ソフトバンクだけでなく、携帯キャリアの「無制限」プランにはさまざまな制限がある通例となっています。従来のメリハリ無制限にも、次のような記載があります。

通信が混雑し、または通信の混雑が生じる可能性がある場合、ネットワーク全体の品質を確保するため、通信の種類および内容にかかわらず、 通信速度を制御することがあります。

メリハリ無制限の特記事項より

電波や設備には限りがある以上、本当の意味で「無制限」の通信を提供することは難しく、何らかの制限をかけるのは技術的にやむを得ない面があります。

そういう意味では、極端な利用に対して制限をかけることで公平性が高まり、大多数の利用者にとってメリットになる側面があるのはたしかです。

ただ、果たしてこれは「無制限」といえるのでしょうか。そこに疑問を感じる人が出てきているのが現状といえます。

プラン名が足を引っ張る?

PayPay連携による最大5%分のポイント還元上乗せは大きく、経済圏にしっかり貢献してくれる人を優遇するという意味でも、妥当な方向性といえそうです。

ただ、こうしたポイント還元が魅力的だからこそ、プラン名のネーミングのまずさは気になるところです。

実質的には200GBプランなのに「無制限プラン」として毎月料金を請求されるのは、ちょっと損した気持ちになるのではないでしょうか。

ここはストレートに「容量超過後も4.5Mbpsで使える200GBプラン」としておいたほうが、PayPayのおトクさがより強調されることにつながったように思います。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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