Yahoo!ニュース

ボタン長押しで「メモ入力」も可能に iPhone 15 Proのアクションボタン解説

山口健太ITジャーナリスト
iPhone 15 Proの「アクションボタン」設定画面(筆者撮影)

アップルの最新スマホ「iPhone 15」では、上位のProシリーズだけの新機能として「アクションボタン」が加わっています。

これは2007年の初代iPhoneから続いてきた消音スイッチを置き換えるもので、歴史的な変更といえます。どのような機能なのか、評価用機材を用いて試してみました。

「自撮り」や「新規メモ」をボタン1つで呼び出し可能に

アクションボタンが搭載されたのは、上位のProシリーズである「iPhone 15 Pro」と「iPhone 15 Pro Max」の2機種です。

2023年の新モデルの中でも「iPhone 15」と「iPhone 15 Plus」は、従来通りの消音スイッチのままとなっています。

iPhone 15 Proシリーズ(上)のみ、消音スイッチの代わりにアクションボタンを搭載する。下はiPhone 15 Plus(筆者撮影)
iPhone 15 Proシリーズ(上)のみ、消音スイッチの代わりにアクションボタンを搭載する。下はiPhone 15 Plus(筆者撮影)

アクションボタンの使い方としては、「長押し」することで、あらかじめ設定した「アクション」を実行できます。

このボタンは従来の「着信/消音スイッチ」を置き換えたこともあり、初期状態のアクションは消音(マナーモード)のオン/オフとなっています。

割り当て可能なアクションとしては、カメラやフラッシュライトの起動、さまざまな機能を作り込めるショートカットなどが用意されています。

アクションボタンを長押しではなく、普通に押した場合は、現在どのようなアクションが設定されているかを確認できます。

iPhone 15 Proの新機能としては地味な印象を受けるものの、日常的な使い勝手が向上するという意味で、メリットは大きいと感じています。

筆者の場合、基本的にはマナーモードをオンの状態で使っていることもあり、消音スイッチに触れることはほとんどありませんでした。しかしアクションボタンなら毎日使える可能性があります。

たとえば画面ロックの状態からカメラを起動するには、画面のスワイプなど複数の方法が用意されているものの、アクションボタンのほうが素早く、便利に感じます。

また、設定画面では「セルフィー」や「ビデオ」といった指定も可能です。単にカメラアプリを開くのではなく、自撮りや動画撮影ができる状態で起動できるわけです。

自撮りや動画撮影の状態でカメラアプリを起動できる。なお設定画面は派手だが、実際のボタンに「光る」機能はない(筆者撮影)
自撮りや動画撮影の状態でカメラアプリを起動できる。なお設定画面は派手だが、実際のボタンに「光る」機能はない(筆者撮影)

さらに高度な使い方としては、「ショートカット」にも対応しています。これを使うと、アプリの機能や、複数のアプリを組み合わせたマクロのような動作を作り込んで呼び出すことができます。

たとえば「メモ」アプリの「新規メモ」を割り当てると、アクションボタンを長押しすることでメモ入力用の小窓を表示できるようになります。いつでもiPhoneでメモを取りたい人には手放せない機能になりそうです。

ショートカットの「新規メモ」を割り当てると、アクションボタンの長押しでメモを取れるようになる(筆者撮影)
ショートカットの「新規メモ」を割り当てると、アクションボタンの長押しでメモを取れるようになる(筆者撮影)

なお、画面ロック状態とはやや相性が悪く、入力の途中でも画面と一緒にメモの内容が消えてしまうことがありました。画面ロックを解除すれば問題なく操作できますが、今後の改善はあるか気になるところです。

画面ロック状態における問題の回避策。文字入力の前に「ホーム画面へ移動」を入れたショートカット(アプリ画面より、筆者作成)
画面ロック状態における問題の回避策。文字入力の前に「ホーム画面へ移動」を入れたショートカット(アプリ画面より、筆者作成)

ぜひ全モデルに搭載を

ケースを付けた場合はどうでしょうか。iPhone 15 Pro/Pro Max用の純正ケースには、アクションボタンの位置に、ボタン状の部品が付いています。

実際にケースの上から押してみると、カチっというクリック感があります。電源ボタンや音量調整ボタンとほぼ同じ感覚です。

純正のファインウーブンケースを付けた状態。他のボタンと同じようにしっかり押し込める(筆者撮影)
純正のファインウーブンケースを付けた状態。他のボタンと同じようにしっかり押し込める(筆者撮影)

今回はProシリーズのみの搭載となっているものの、画面上部の「ダイナミックアイランド」は、2022年にProシリーズで導入された後、1年遅れで全モデルに展開されています。

アクションボタンについても同様に、今後はすべてのモデルへの搭載を期待したいところです。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

山口健太の最近の記事