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新型iPad Pro 日本では「再値上げ」 円安の影響は?

山口健太ITジャーナリスト
新型iPad Pro(アップル提供画像)

10月18日、アップルがiPad ProやiPadの新モデルを発表しました。今回発表のなかったiPad AirやiPad miniを含め、日本での価格は「再値上げ」となっています。円安の影響をどれくらい受けたのでしょうか。

日本版価格は「再値上げ」

9月に登場した「iPhone 14」の後も為替相場はドル高・円安が進んでおり、10月19日現在は1ドル=149円台となっています。

そのため、10月の新製品がどれくらいの為替レートに基づいた価格になるのかが注目されていました。

ふたを開けてみると、新型iPadについては約4割の値上げ。新たにM2プロセッサーを搭載した新型iPad Proも値上げされ、7月の値上げに続く「再値上げ」となりました。

性能が向上した新製品なら値上げしてもおかしくはないと思いたいところですが、実は米国では据え置き価格となっています。

なお、今回は英国(ポンド)やドイツ(ユーロ)の価格も値上げされており、日本だけというわけではありません。世界各国がドル高の影響を受けているといえそうです。

iPad Proの価格は米国では据え置き、日本では再値上げ(筆者作成)
iPad Proの価格は米国では据え置き、日本では再値上げ(筆者作成)

日本のiPad Proは高いのでしょうか。日本と米国の価格を税抜で比較してみると、為替レートは1ドル=約141円となり、いまの為替レートに比べるとむしろ割安です。

こうした乖離が起きる理由は、為替の動きが大きすぎて、アップルが社内で価格を決定してから発表するまでの間に円安が進んだためと思われます。

そのため、新型iPad Proの税込12万4800円からという価格は、絶対額として高くなったものの、為替レート的にはまだ割安という状態にあるわけです。

iPad AirやiPad miniも静かに値上げ

今回登場した新製品の中で、第10世代のiPadは税込6万8800円と、約4割の値上げが話題となっています。

iPadがここまで高いのならば、上位モデルのiPad Airに手を伸ばしたくなるところですが、今回はiPadのモデル間の価格差もしっかり調整されています。

発表とは直接関係のないiPad AirとiPad miniも値上げされ、2022年7月の値上げに続く再値上げとなりました。

家電量販店では明け方くらいまでは旧価格で在庫を購入できたようですが、朝になると値上げが反映されていました。

発表後にiPad miniも値上げされた(ビックカメラのWebサイトより、筆者作成)
発表後にiPad miniも値上げされた(ビックカメラのWebサイトより、筆者作成)

iPad以外では、iPhoneの値上げがあるかどうか関心が高まっています。これを予想するのは困難ですが、少なくともアップルは「必要に応じて再値上げをする場合がある」ということは明らかになりました。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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