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第2世代「AirPods Pro」レビュー 4万円の価値はある?

山口健太ITジャーナリスト
アップルの第2世代AirPods Pro(評価用端末、筆者撮影)

9月23日、アップルのワイヤレスイヤホンの新機種「AirPods Pro(第2世代)」が発売されました。音質などの性能が向上した一方で、価格も上がっています。果たして4万円の価値はあるのか、評価用端末を使って確かめてみました。

ノイキャン性能が一段階アップ

これまで筆者はiPhoneやiPad、Macで使うイヤホンとして、オンライン取材や動画視聴には着け心地が楽な「第3世代AirPods」、ノイズキャンセリングがほしい場面では「第1世代AirPods Pro」を使ってきました。

今回出た「第2世代」AirPods Proは、世代の数だけを見ると新しく感じないかもしれませんが、初めて「H2」チップを搭載した最先端モデルとなります。

イヤホン本体やケースの基本的な形状は前のモデルから変わっていません。しかし中身は大きく変わっており、音質やノイズキャンセリング性能、バッテリー駆動時間などが向上したとされています。

第1世代(左)と第2世代(右)のAirPods Pro。イヤホン本体やケースの基本的な形状は同じだ(筆者撮影)
第1世代(左)と第2世代(右)のAirPods Pro。イヤホン本体やケースの基本的な形状は同じだ(筆者撮影)

第1世代モデルと交互に聞き比べてみた印象としては、低音がしっかりと出ています。音量を上げてみると、伝わってくる振動が明らかに違う場面がありました。

また、よく聞いてみると高音もよく伸びており、クリアに聞こえる場面が多いなど、たしかに音質が良くなった印象を受けます。

Proシリーズはノイズキャンセリングにも対応しています。第2世代モデルはこの性能が上がり、「最大2倍の雑音を消す」とアップルは説明しています。

実際に地下鉄の車内で試してみました。両モデルともに、耳に装着したときに騒音がふわっと消える感覚は共通です。第1世代モデルでも騒音は大きく軽減されますが、第2世代では一段と静かになりました。

車内のアナウンスや走行中のカタンコトンという高い音は消えませんが、非常に静かに走る電車に乗っている感覚です。

カフェで使ってみると、やはり第1世代モデルより騒音のレベルが下がることを実感できました。静かな場所で周囲の話し声やBGMが聞こえてくる感じになります。

便利な機能も増えています。第2世代モデルはイヤホン本体に触れるだけで音量を調整する機能に対応。iPhone本体の音量ボタンを押したのと同じ効果を得られます。

ケースの側面にはストラップホールが付きました。iOSの「探す」機能にも対応し、置き忘れたときに探しやすくなりました。ケースには小さなスピーカーが搭載され、充電を始めると小さく音が鳴ります。

第2世代モデル(右)は側面にストラップホールを搭載した(筆者撮影)
第2世代モデル(右)は側面にストラップホールを搭載した(筆者撮影)

充電は有線のLightning、無線のQiに加えて、新たにApple Watch用の充電器にも対応しました。出張先などで持っているケーブルが限られるとき、充電の選択肢が広がるのは便利といえます。

新たにApple Watch用の充電アダプタにも対応した(筆者撮影)
新たにApple Watch用の充電アダプタにも対応した(筆者撮影)

H2チップでは電力効率が高まったことで、スペック上のバッテリー駆動時間が伸びています。ノイズキャンセリングが有効の状態で使ってみたところ、残量表示は2時間で67%、4時間で36%になりました。6時間程度は使えそうです。

「4万円」の価値はあるか

新製品として着実なアップデートを遂げた第2世代AirPods Proですが、価格も上がっています。税込3万9800円は、第1世代モデルの税込3万580円(発売当時)から約3割の値上げです。

AirPods Proに限った話ではありませんが、同価格帯の有線イヤホンに比べると、音質では劣る印象です。作業をしながらBGMを聞くにはいいのですが、真剣に音楽を聴きたいときは筆者もヘッドフォンアンプや有線イヤホンを使っています。

ただ、アップル製品と一緒に使う総合的な便利さという点では、AirPods Proは圧倒的に優れています。日常的に使うものなら、十分に元は取れると考えることもできます。

いま第1世代モデルに満足している人がすぐに買い替えるほどではありませんが、2年も使えばバッテリーがへたって、使える時間が短くなっていきます。その買い替え先として、第2世代のAirPods Proは最有力候補といえそうです。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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