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税金も1.5%還元? スマホ決済「請求書払い」魅力と注意点

山口健太ITジャーナリスト
au PAYの「請求書支払い」画面(筆者撮影)

いま、スマホ決済で注目したい機能の1つが「請求書払い」です。公共料金や税金をキャッシュレスで支払える上に、ポイント還元を期待できる場合もありますが、注意点もありそうです。

「請求書払い」で各社が競争

公共料金や税金の振込用紙が届いたとき、銀行やコンビニに持ち込んで現金で支払うこともできますが、キャッシュレス決済を利用できる場面も増えています。

その中で注目したいのが、PayPayなどのスマホ決済アプリによる「請求書払い」です。請求書のバーコードをアプリからカメラで読み取ることで、残高などを使って自宅で支払いができます。

スマホ決済といえばポイント還元を期待したいところですが、これはサービスごとに条件は異なります。今回は都税をキャッシュレスで納付するにあたって、各社の最新情報を比較してみました。

(1)PayPay

PayPayの請求書払いは、当初は0.5%のポイント還元がありましたが、2022年4月1日に廃止されました。

引き続き「PayPayステップ」のカウント対象にはなるので、PayPay経済圏を活用している人なら便利に使えそうです。支払い日を予約するなどの新機能も増えています。

(2)LINE Pay

LINE Payの請求書支払いでは、クレジットカードと紐付けた「チャージ&ペイ」により、0.5%のポイントが還元されます。

当初は「Visa LINE Payクレジットカード」が必要でしたが、2021年5月から三井住友カードが発行するVisaカードも利用できるようになっています。

(3)d払い

d払いにはクレジットカードと紐付ける機能がありますが、請求書払いに使えるのは「d払い残高」のみで、ポイント還元はありません。

d払いをよく使っている人には便利なサービスですが、他のサービスを併用している人の場合、あえてd払いを使うメリットはなさそうです。

(4)楽天ペイ

楽天ペイは請求書払いに対応していませんが、類似サービスとして、楽天銀行のアプリが「楽天銀行コンビニ支払サービス(アプリで払込票支払)」を提供しています。

名前から受ける印象とは異なり、コンビニに行く必要はなく、アプリからコンビニ払込票を読み取って自宅で支払えます。楽天銀行の「ハッピープログラム」により、一律10ポイントが還元されます。

(5)au PAY

au PAYの請求書支払いでは、「au PAY残高」からの支払いとなり、200円につき1ポイント(0.5%)が還元されます。

さらに、au PAY残高へのチャージに対応したクレジットカードを持っていて、そのカードでポイント還元を受けられる場合、ポイントを二重取りできます。

たとえばau PAYカードでチャージすれば1%還元なので、合計1.5%還元を期待できます。楽天カードもチャージに使えますが、7月1日からポイント還元の対象外となるので注意が必要です。

今回、筆者が支払う都税はau PAYの請求書払いに対応しており、ポイント還元が最も大きいことから、au PAYを使うことにしました。

au PAYアプリから「請求書支払い」を利用した様子(アプリ画面より、筆者作成)
au PAYアプリから「請求書支払い」を利用した様子(アプリ画面より、筆者作成)

いずれの請求書払いも手数料は原則無料ですが、請求書の種類によっては利用者負担になる場合があるようです。また、紙の領収書は残らないので、画面キャプチャを保存しておくとよいでしょう。

電子マネー、クレジットカードは?

スマホ決済の請求書払い以外に、おトクな決済手段はないのでしょうか。

コンビニで支払う場合、基本は現金となりますが、セブン-イレブンでは「nanaco」、ミニストップでは「WAON」、ファミリーマートでは「FamiPay」を利用できるようです。

これらの電子マネーにチャージする際、ポイント還元を得られる方法を持っていれば、おトクになるというわけです。

ただ、定番テクニックの1つだった、Apple Payを利用して「MIXI M」からnanacoやWAONにチャージする方法は6月9日に仕様が変わり、できなくなりました。

その他のクレジットカード払いについては、幅広い支払いに対応していた「Yahoo!公金支払い」があったものの、2022年3月31日にほとんどのサービスが終了しています。

東京都など、自治体によっては独自にクレジットカード払いのサイトを提供しているところがあります。手数料はかかりますが、クレジットカードのポイントを考慮すると、手数料を払ってもおトクになる場合があります。

ポイント還元はありませんが、銀行口座などから手数料なしで支払えるPay-easy(ペイジー)も引き続き便利な方法です。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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