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500円セールは即完売? メルカリShopsで新クール便のキャンペーン

山口健太ITジャーナリスト
メルカリShopsがクール便の料金を統一(ソウゾウ提供画像)

3月7日、メルカリ子会社のソウゾウが運営するEコマースサービス「メルカリShops」において、全国一律料金の新しいクール便が始まりました。「メルカリで肉や魚を買う」スタイルは定着するのでしょうか。

フリマアプリとして知られるメルカリは、個人利用だけでなく、小規模な事業者や生産者による出品も増えています。そこで2021年10月、メルカリ内にネットショップを開けるEコマースサービス「メルカリShops」が始まりました。

メルカリShopsの販売手数料は通常のメルカリと同じ10%とやや高めですが、初期費用や月額手数料は無料、スマホ1台で始められることから、これからEコマースに挑戦する事業者に向いています。

通常、メルカリでは安全面などの理由から生の食肉や魚介類は出品が禁止されていますが、メルカリShopsでは取り扱いOKとなっており、すでに月平均で400件超の注文を受ける地方の精肉卸売店もあるそうです。

そして今回、メルカリShopsだけの機能として、ヤマト運輸と組んだ「クールメルカリ便」(冷蔵・冷凍)が始まりました。

事業者は出品時に「クールメルカリ便」を選択可能に(ソウゾウ提供画像)
事業者は出品時に「クールメルカリ便」を選択可能に(ソウゾウ提供画像)

クールメルカリ便では、通常のクール宅急便とは異なり、料金がサイズで決まる全国一律となっています。これは主要なEコマースサービスでは初めての試みで、北海道・沖縄間ではクール宅急便の定価より59%安くなるとのことです。

サービスを開始した3月7日(魚の日)に合わせて、メルカリは魚介類や水産加工品の需要に着目。Eコマースで魚を買ったことがある人は2割と少ないものの、産地にこだわる人は6割と多いとの調査から、潜在的な需要は大きいとみているようです。

Eコマースで魚を買う人は2割だが、産地へのこだわり需要があるという(ソウゾウ発表会資料より)
Eコマースで魚を買う人は2割だが、産地へのこだわり需要があるという(ソウゾウ発表会資料より)

「500円」セール品は一瞬で売り切れか

新しいクール便の開始に合わせて、メルカリShopsでは3月7日から10日まで「魚の日キャンペーン」を実施。送料込みで5500円相当の商品を500円で販売するというもので、初日は発表直後から次々と売り切れになりました。

期間中は毎日12時頃に在庫が補充される仕組みとのこと。キャンペーン2日目となる3月8日は、ほぼ一瞬で売り切れたようです。注目度の高さに対して商品在庫は約560セットと少なく、実際に購入できる人はごくわずかとみられます。

500円のセール品。購入するのはかなり難しい(メルカリのアプリ画面より、筆者作成)
500円のセール品。購入するのはかなり難しい(メルカリのアプリ画面より、筆者作成)

キャンペーンに参加した豊洲まぐろ一代は、「ミナミ・メバチ トロぶつ&切り落しセット」合計1kgを500円で販売。「天身と呼ばれる赤身しか需要がなく、他の部位が売れない。在庫が偏ってしまい、廃棄に近い価格で販売することもある。キャンペーンを通じて他の部位も味わっていただきたい」と語っています。

前回の「いい肉の日」キャンペーンでは、セール品以外にも肉製品の売上が伸びる効果があったとのこと。今回も「メルカリで魚を買える」ことの認知向上や、関連商品の売上につながることをメルカリ側は期待しているようです。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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