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【Yahoo!ニュース 個人】1月の月間MVAとMVCが決定 #MVA #MVC

(写真:イメージマート)

■Yahoo!ニュース 個人、1月の「月間MVA(Most Valuable Article)」と「月間MVC(Most Valuable Comment)」が決定しました

社会の課題を伝えている・議論を喚起している・読者の心に響く……などの観点で選出している「月間MVA」。記事のアクセス数ではなく、目指す世界観「発見と言論が社会の課題を解決する」「文化の発展に寄与する」を体現している記事を、編集部を中心とした運営スタッフがアナログで選出しています。あわせて、Yahoo!ニュース 公式コメンテーターによるニュースへの理解が深まるコメントとして「月間MVC」も選出しました。厳選3本の記事と3本のコメントを、筆者の受賞コメントとあわせてご紹介します。

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1月のMVA

■「個人の判断」に委ねられたマスク着用 着けるべき場面や状況についての考え方(忽那賢志)

筆者による受賞コメント:新型コロナの流行も4年目を迎え、いよいよ本格的な「コロナ後」の社会へ向けて大きく動いています。その中でも「マスク着用」については、政府は「各自の判断に委ねる」としました。海外との状況に合わせて早く外したいという方もいますし、感染対策のためにまだ着けていたいという方もまだ多くいらっしゃると思います。マスク着用についてどう考えればよいのか、その判断の材料となるような記事になれば良いなと思って書いた記事です。マスクを外している人、着けている人が互いに尊重される日本であってほしいと願っています。(忽那賢志)

選出理由:コロナ禍を経て、マスクは私たちの日常にとって当たり前の存在になりました。現在、政府によりマスク着用に関する議論が行われ、着用緩和の指針が調整されています。新型コロナの5類移行も決まり、新型コロナと社会の向き合い方が変わるフェーズのさなか、私たちは今後マスクとどう付き合うべきか? 海外との違いやエビデンスを紹介しながら、考慮すべきポイントについて深い示唆を与えてくれました。

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■日本最高齢フィギュアスケーター浅野千江子さん、92歳でマスターズ出場、満州から仙台へ繋いだスケート愛(野口美恵)

筆者による受賞コメント:フィギュアスケートといえば、4回転やトリプルアクセルをバンバン跳ぶ若い選手のための競技だと思われがちですが、「ライフワークとしてのスケート」の世界もあることを皆さんに知ってもらいたいな、という気持ちで執筆しました。トップアスリートとして世界と戦う選手の姿は、夢と希望を与えてくれます。一方で、92歳の浅野さんもスケート愛は、五輪選手にも負けません。好きな事をとことん貫き、継続していく浅野さんの背中を見て、幸せな生き方のヒントを学んだ気がしました。(野口美恵)

選出理由:フィギュアスケートで仙台といえば、羽生結弦さん、荒川静香さんを思い起こしますが、こんなに前向きで素敵な「おばあちゃん」も。満州での壮絶な戦争体験。92歳でマスターズに出場し、大会最高齢出場賞。バスと電車を乗り継ぎ1時間半かけてレッスンに通い、仲間に手料理をふるまう。たゆまぬ探求心、スケート愛に感銘を受けました。好きなことに打ち込む楽しさが伝わる、同世代や少し下、若い人も元気や勇気をもらえる記事、映像です。1日でも長くスケートを楽しんでいただけたらとの願いも込めて。

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■「モグラたたき」と言われても〜楽しく安全な豆まきのために〜(山中龍宏)

筆者による受賞コメント:今もさまざまな事故でこどもが亡くなっています。ほとんどの場合、以前にも同じ事故死が起こっており、また多くの場合、具体的な予防法もわかっています。事故死の報道を見る度に「なぜ、同じ事故死が同じように・・・」と思います。公的機関からは、事故死の危険性と対策がガイドラインで示されています。それなのに、同じような事故死が起こり続けているのです。豆まきの豆による窒息はよく知られていますが、保育・教育施設を対象とした全国調査によると、22%もの施設で豆を使った豆まき行事が行われていることがわかりました。これは何度でも危険性を訴える必要がある、「また同じ話か」と言われても投稿するべきだ、と決意して投稿した次第です。まだまだ周知が足りません。機会あるごとに訴え続ける必要があると考えています。(山中龍宏)

選出理由:2022年1~2月に全国の教育・保育施設等、約55,000施設を対象に行われたアンケート調査では、節分行事で豆まきを実施したり、豆つぶのまままいたりした施設が22%にのぼったそうです。筆者はこの結果に驚き、繰り返し豆の危険性を訴える必要を感じて今年も注意喚起の記事を発信してくれました。豆だけではなくミニトマトやぶどう等にも誤嚥・窒息の危険があることを、内閣府等が出しているガイドライン等も紹介しながら詳しく伝えています。

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1月のMVC

■《今日で事故から31年》医者に「自分の人生を考えたほうがいい」と言われても…27歳で四肢麻痺になったプロレスラーの夫を“捨てなかった”妻のシンプルな理由とは(文春オンライン)の記事へのコメント(高野龍昭)

筆者による受賞コメント:心身に障害を背負った人びとは、自分の力だけでは人生を思うように歩めない状況に陥ります。しかし、この片山夫妻は、夫が重度の障害を負いながらも、夫婦一緒にその困難に向き合い、有形無形の支援を受け入れながら、それぞれの人生を自分の価値観にそって歩んでいます。私は介護・福祉の専門家のひとりとして、障害を負ったり要介護状態に陥ったとしても、片山夫妻のように自立的な暮らしができるということを、多くの人に知っていただきたい一心でコメントを記しました。そのコメントを評価いただき、大変嬉しく思います。(高野龍昭

選出理由:結婚してわずか1年半、まだ20代の若い夫婦が、いきなり向き合わなければならなくなった「人生」。そこから31年の2人の道のりとその心情に寄り添い、専門家としての解釈を入れながら、介護のあり方について語りかけています。このコメントに触れることで、少し心が軽くなったように感じられた方もいらっしゃったのではないでしょうか。

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■新型コロナ5類移行 マスクは屋内外とも「個人の判断に委ねる」(毎日新聞)の記事へのコメント(楊井人文)

筆者による受賞コメント:マスク着用をめぐっては様々な論議がありますが、私はこの問題のニュースにコメントする際には、法的根拠を踏まえ、「大人」と「子供」の扱いの違いを浮き彫りにすることに重点を置いてきました。裁量が残されていた大人とは異なり、選択の余地のない状態に長期間とどめおかれ発言権のない子供等の境遇について、社会がもっと関心を向ける必要があると感じていたからです。そのうちの一つが多くの読者の目にとまり、こうして受賞対象になったことを嬉しく思います。(楊井人文

選出理由: 新型コロナウイルス感染症の「5類」移行とマスク着用の是非の問題は国論を二分するような論争を呼び起こしました。科学的な視点と感情論が絡み合うこうした問題に対して、混同されがちな前提や要素をしっかりと整理し、解きほぐしてくれる解説コメントでした。感染症法上の位置付けとマスク着用は直接関係ないこと、大人と学校現場のマスク着用における根拠に違いがあることを端的に説明し、日本社会特有のある種の同調圧力的な側面にも言及。論争が熱を帯びる中でのタイムリーさも光りました。

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■【山口】自力航行不能の海自護衛艦「いなづま」えい航作業はじまる(KRY山口放送)の記事へのコメント(山田吉彦)

筆者による受賞コメント:月間MVCに選出いただき御礼申し上げます。地球の表面積の7割を占める「海」で起きた様々な事象を、わかりやすく解説することを心掛けています。私たちが暮らす日本は、四方を海に囲まれ、海からの恩恵を多分に受けています。その海は、多くの問題を抱えています。海洋問題の解決のために、フィールドワークを重視し研究を進めています。海難事故に関しては、原因の究明を踏まえ発生防止策を伝えたいと考えています。また、海を知り、海を意識することは、海洋国・日本において豊かに暮らすことにつながるでしょう。(山田吉彦

選出理由:山口県の周防大島沖で海上自衛隊の護衛艦「いなづま」が座礁した事故の状況を報じる記事へのコメントです。曳航が開始された時点で、事故の起きた海域は海図でわかる危険海域であったことや自衛艦は民間船や海上保安庁巡視船より多くの人員がブリッジにおり、見張りも常時配置されていることなど専門家としてプラスワンの情報を提供することでユーザーのニュースへの理解をより深めてくれました。

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