朝の情報番組が様変わりしてから、2ヶ月以上が過ぎました。

立川志らくさん司会の「グッとラック!」(TBS)が、お笑いコンビ「麒麟(きりん)」の川島明さんで「ラヴィット!」に。

スタジオはお笑いタレントさんでにぎやかです。時事ネタがなくなり、コンビニスイーツや生鮮食品といった、チラシ広告的な情報が中心となりました。

また小倉智昭さんが長年司会を務めた「とくダネ!」(フジテレビ)は、俳優の谷原章介さんを起用した「めざまし8」に変わりました。

こちらは基本路線を継承しており、政治や経済からエンタメ情報までが並んでいます。

谷原さんの司会は危なげないし、視聴者の高齢化対策という意味では成功と言えそうです。

幅広い対象に迫る「情報番組」

今や、「情報番組」全体が、衣食住に遊びを加えたような「生活情報」を軸とする番組と思われているようです。

しかし、元々「情報番組」は、もっと幅広い対象にさまざまな角度から迫れるジャンルでした。

それは先日出版された、太田英昭著『フジテレビプロデューサー血風録 楽しいだけでもテレビじゃない』(幻冬舎)を読むとよく分かります。

太田さんは、フジテレビのプロデューサーを経て情報制作局長となり、フジ・メディア・ホールディングス社長や産経新聞会長を歴任した人物です。

フジテレビが「楽しくなければテレビじゃない」を標榜(ひょうぼう)していた1980年代後半に、情報番組の新機軸として、逸見政孝さんを司会に『なんてったって好奇心』を立ち上げます。

その後もニュースを深掘りする『ニュースバスターズ』、趣味性の強いカルチャー番組『ワーズワースの庭』、さらに『とくダネ!』も手掛けました。

『なんてったって好奇心』の熱気

中でも『なんてったって好奇心』は、太田さんというリーダーと同じく、異様な熱気に満ちた情報番組でした。

「全部見せます!プロ野球中継の裏側」といった企画から、「世界初公開!これがソ連監獄・酷寒の女囚達はいま」などの潜入物まで、硬軟両方の素材に挑んでいったのです。

中には、〝フォークの神様〟岡林信康さんがリポーターとなって、東京で暮らす外国人労働者の素顔と生活に迫ったものや、「秘宝切断 日本に眠るアンコールワット仏の謎」といった美術ミステリーも。

ドキュメンタリーとエンタテインメントの境目を行くのが持ち味で、肩に力が入っておらず、親しみやすさの中に知りたいことへの執念を秘めていました。

そして何かトラブルが起きれば、太田さん自身が修羅場に乗り込んだ。

とはいえ今、『好奇心』を、そのまま復活させるのは困難です。予算や人員など、できない理由がたくさん挙がるはずです。

しかしそれ以前に、作り手側の「知りたい」「伝えたい」という、一種の熱狂のようなものが、どれくらいあるかでしょう。

もし、それがあるなら、先が見通しづらい社会にアプローチする「手法」として、情報番組はもっと生かされていいかもしれません。