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暴投1球で走者2人が生還。この2点が響いてエンジェルスは敗れる

宇根夏樹ベースボール・ライター
マット・タイス(ロサンゼルス・エンジェルス)Feb 16, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月10日、ロサンゼルス・エンジェルスは、2対4でタンパベイ・レイズに敗れた。1回表に3失点と2回表に1失点。その後の失点はなかったが、2得点にとどまった。

 痛かったのは、最初の2失点だ。先頭打者からの3連打――2本目と3本目は内野安打――で無死満塁となった後、ホゼ・ソリアーノの暴投により、三塁走者と二塁走者に生還された。

 ベースのかなり手前でバウンドした投球を、マット・タイスが捕れず、ボールは後方へ転がっていった。それだけなら1失点で済んだはずだが、タイスはボールの行方を見失った。駆け寄ってきたソリアーノに教えられ、ようやくボールを見つけたものの、時すでに遅し。三塁走者のヤンディ・ディアズに続き、二塁走者のランディ・アロザレイナも、ホームを駆け抜けた。

 暴投1球で走者2人が生還は、これが初めてではない。けれども、捕手がボールを見失うパターンは、少ない気がする。

 例えば、昨年7月28日にシアトル・マリナーズが取られた2点は、暴投と悪送球によるものだ。1死二、三塁の場面で、ワンバウンドしたマット・ブラッシュの投球は、カル・ローリーのミットではなく腹に当たり、横に逸れた。すぐに追いついたローリーは、カバーに入ったブラッシュに向かって投げたが、こちらもワンバウンドになり、ブラッシュは捕ることができず、それを拾った一塁手のタイ・フランスが本塁へ送球したが、二塁走者にもホームインされた。

 エンジェルスは、この試合の黒星により、6勝6敗となった。過去3シーズンは、開幕から12試合を終えた時点で、いずれも7勝5敗だった。

 また、8回裏には、こんなプレーもあった。シングル・ヒットで出塁したジョー・アデルは、二盗を試み、滑り込むことなく成功させたものの、そこで止まらずに行きすぎてしまい、タッチされてアウトになった。

 アデルは、その前に打席に、今シーズン1本目のホームランを打った。マイク・トラウトは、2安打を記録したが、連続ホームランは3試合でストップした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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