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今永昇太は2登板目も無失点。デビューから10イニング連続無失点は日本人投手の最長まで何イニング!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
今永昇太(シカゴ・カブス)Apr 7, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今永昇太(シカゴ・カブス)は、ここまでの2登板とも、得点を許していない。4月1日は6イニング無失点、7日は4イニング無失点だ。2登板目のイニングが短いのは、雨天中断による。どちらの試合も、長打は打たれていない。計12三振を奪い、与四球はゼロだ。

 メジャーデビューから無失点が10イニング以上の日本人投手は、見落としがなければ、今永が5人目。その前の4人は、1964年に11.0イニング無失点のマッシー村上(村上雅則)、1998年に14イニング無失点の吉井理人、2002年に11.2イニング無失点の石井一久、2016年に14イニング無失点の前田健太(当時ロサンゼルス・ドジャース/現デトロイト・タイガース)だ。

 今永は、次の登板の最初の5イニングが無失点なら、デビューから15イニング連続無失点となり、吉井と前田を上回る。

 村上は、リリーバーとして投げ、最初の8登板とも無失点(引き継いだ走者の生還はあり)。9登板目の最初のイニングに、失点を記録した。あとの3人は、いずれも、先発3登板目に初失点。吉井は2回裏、石井は1回裏、前田は3回表に点を取られた。前田は、最初の4登板で計25.1イニングを投げ、失点は、ジョー・パニックに打たれたホームランの1点しかなかった。

 ちなみに、メジャーリーグにおける、デビューからの連続無失点は、2008年にブラッド・ジーグラーが記録した39.0イニングが最も長い。ジーグラーは、通算739登板のいずれも、ブルペンからマウンドに上がった。先発登板のみの最長は、今ひとつはっきりしないが、1945年にデーブ・フェリスが記録した22イニング――完封2試合と3登板目の4イニング目まで――ではないかと思われる。

 今世紀に入ってからの、先発登板によるデビューからの連続無失点トップ3は、2021年にルイス・ヒール(ニューヨーク・ヤンキース)が18.2イニング、2009年にビン・マザーロが17.2イニング、2023年にアンドルー・アボット(シンシナティ・レッズ)が17.2イニングだ。

 なお、山本由伸(ドジャース)も、こちらはデビューからではないが、10イニング連続無失点を継続している。初登板が1イニング5失点、2登板目と3登板目はどちらも5イニング無失点だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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