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今春の防御率は山本が8.38、今永は4.66。MLBデビュー直前のダルビッシュや大谷はどうだった!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
今永昇太(シカゴ・カブス)Mar 14, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今春、山本由伸(ロサンゼルス・ドジャース)は、3登板で9.2イニングを投げ、防御率8.38を記録した。今永昇太(シカゴ・カブス)も、ここまでの登板数とイニングは、山本と同じ。防御率は4.66だ。

 2人とも、開幕ローテーションの一員として、メジャーデビューする。山本は、ドジャースの開幕2試合目、3月21日に登板する。今永は、開幕前にあと1度投げ、カブスの開幕3試合目か4試合目、3月31日か4月1日のマウンドに上がるはずだ。

 2007年以降、メジャーリーグ1年目に開幕ローテーション入りした日本人投手は、松坂大輔井川慶から、現在はニューヨーク・メッツでチームメイトの千賀滉大藤浪晋太郎まで、13人を数える。それぞれが開幕前と開幕後に記録した、登板、イニング、防御率は、以下のとおり。

筆者作成
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 この13人と比べると、山本と今永の開幕前の防御率は、2018年の大谷翔平(当時ロサンゼルス・エンジェルス/現ドジャース)に次いで高い。だが、大谷の防御率27.00は2.2イニングの数値に過ぎず、山本と今永も、10イニングに達していない。なので、開幕前の防御率が高くても、気にする必要はないだろう。

 一方、こちらもサンプル数はわずかながら、山本は47人に対して投げ、14三振を奪っている。奪三振率は13.03、打者との対戦結果に占める奪三振の割合は29.8%となる。41人中19人から奪三振の今永は、それぞれ、17.69と46.3%だ。

 ここまでに9イニング以上を投げている119人のなかで、山本の防御率8.38は111位、奪三振率13.03は6位、奪三振の割合29.8%は31位に位置する。今永は、防御率4.66が77位タイで、奪三振率17.69と奪三振の割合46.3%は、どちらも、どの投手よりも高い。

 ちなみに、開幕ローテーションあるいは開幕ロースターに入れるかどうかはわからない――現時点では入れない可能性のほうが高そうだ――が、上沢直之(タンパベイ・レイズ)は、4登板で同じく9.2イニングを投げている。上沢の防御率13.03は119位、奪三振率8.38は74位タイ、奪三振の割合17.0%は96位だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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