エンジェルスは契約から半月で「元プロスペクトの捕手」を解雇する。年齢は28歳。昨年は出場50試合
2月25日、ロサンゼルス・エンジェルスは、フランシスコ・メヒーヤを解雇した。エンジェルスとメヒーヤがノン・ロースター・インバイティ(キャンプ招待選手)つきのマイナーリーグ契約を交わしたのは、2月9日だ。そこから、約半月しか経っていない。
メヒーヤは、28歳の捕手だ。かつてはプロスペクトと目されていて、2019年の開幕前のプロスペクト・ランキングでは、ベースボール・アメリカが全体32位、ベースボール・プロスペクタスは全体20位としていた。2018年の順位は、さらに高かった。
2017年にメジャーデビューし、7シーズンの通算出場は355試合を数える。2018年の夏と2020年の冬にトレードで移籍。2度目のトレードは、ブレイク・スネル(現FA)の交換要員の一人として、サンディエゴ・パドレスからタンパベイ・レイズへ移った。そこから、2021年は84試合、2022年は93試合、昨年は50試合に出場している。これまで、プロスペクトの評価に見合ったパフォーマンスはできていない。
エンジェルスの正捕手と控え捕手は、ほぼ確定している。ローガン・オホッピーとマット・タイスだ。また、スプリング・トレーニングには、ノン・ロースター・インバイティとして、チャド・ウォラック、ケイレブ・ハミルトン、ザック・ハンフリースに、18歳のホアン・フローレスも参加している。メヒーヤがいなくなっても、問題は生じない。
オホッピーとタイスに、ハンフリースとフローレスは、メヒーヤが入団する前からエンジェルスにいた。一方、契約の合意が報じられたタイミング――メヒーヤは12月下旬――からすると、ウォラックがエンジェルスに戻ったのとハミルトンの加入は、メヒーヤより後だ。ウォラックはメヒーヤの直後、ハミルトンは今月に入ってから。彼らが加わったことが、メヒーヤの解雇につながったのかもしれない。
どちらかと言えば、ウォラックの再契約のほうが大きいような気がする。ハミルトンの入団は、ダメ押しといったところだろうか。昨年のスタメンマスクは、タイスが64試合、ウォラックが49試合、オホッピーが48試合、クリス・オーキーが1試合だった。オーキーは、年明け早々にロサンゼルス・ドジャースとマイナーリーグ契約を交わした。
あるいは、今回の解雇は、メヒーヤの希望ということも考えられる。フローレスを除いても、控えの候補は少なくない。エンジェルスよりも捕手の層が薄い球団へ移ったほうが、メジャーリーグ昇格のチャンスは高まる。まだ20代なので、マイナーリーグ契約であれば、手にすることはできるはずだ。