675万ドルの選手オプションを破棄した投手が、それよりも安い450万ドルで出戻る理由は!?
過去2シーズンと同じく、アダム・オッタビーノは、今年もニューヨーク・メッツでプレーするようだ。ニューヨーク・ポストのジョエル・シャーマンによると、1年450万ドルの契約で合意に達したという。
今オフ、オッタビーノは、年俸675万ドルの選手オプションを破棄し、メッツからFAになった。シャーマンが報じている金額は、そのオプションよりも225万ドル少ない。
もっとも、数日前、オッタビーノがポッドキャストの「ファウル・テリトリー」に出演した際の発言が本当なら、オプションを行使しなかった理由は、金銭ではなく、勝ちたいということらしい。
オッタビーノは、移籍を繰り返しながら、2018~22年に5年続けてポストシーズンに出場した。2018年がコロラド・ロッキーズ、2019~20年がニューヨーク・ヤンキース、2021年がボストン・レッドソックス、2022年はメッツだ。けれども、ワールドシリーズで投げたことは、まだ一度もない。
オッタビーノが退団後、メッツは、先発投手のルイス・セベリーノとショーン・マネイア、外野手のハリソン・ベイダーらと契約を交わしている。とはいえ、大物の加入はなく、ポストシーズン進出に向け、万全のメンバーが揃ったとは言い難い。オッタビーノが出戻ったのは、メッツの状況が好転したからではなく、メッツよりも勝てそうな球団から契約を得ることができなかったからだと思われる。
過去3シーズンとも、オッタビーノは、65試合以上に登板している。いずれも、60イニング以上だ。レッドソックスで投げた2021年は防御率4.21だが、メッツへ移ってからの2シーズン、2022年と2023年は、2.06と3.21を記録した。
ただ、現在の年齢は38歳。昨年の奪三振率9.05は、2014年以降の10シーズンのなかで、最も低かった。その前の8シーズンは、いずれも10.30以上。2022年の10.83と比べると、2023年は1.50以上も下がっている。
ちなみに、オッタビーノにとって、メッツとヤンキースは、地元の球団だ。ニューヨークで生まれ育った。背番号「0」は、ゼロをオッタビーノ(Ottavino)のイニシャルに見立てている。