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各球団のシーズン最多三振。12球団中2球団は150三振以上が皆無。細川成也は中日の最多記録を更新

宇根夏樹ベースボール・ライター
甲斐拓也 MAR 16, 2023(写真:CTK Photo/アフロ)

 昨年、村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)と細川成也(中日ドラゴンズ)は、160三振以上を喫した。村上の168三振は、歴代10位に位置する。細川の161三振は、歴代16位だ。

 彼らに次いで三振が多かった2人は、139三振の佐藤輝明(阪神タイガース)と138三振の万波中正(北海道日本ハム・ファイターズ)。こちらは、歴代トップ50に入っていない。

 細川は、中日のシーズン最多を塗り替えた。それまで、中日で最も多かったのは、2010年にトニ・ブランコが記録した158三振だった。この年のブランコは、前年に自身が樹立した球団記録を1三振上回った。

 一方、村上は、球団3位だ。村上の184三振(2019年)と岩村明憲の173三振(2004年)に次ぐ。

 5年前に村上が記録した184三振は、日本プロ野球の歴代4位。その上には、1988~95年に近鉄バファローズでプレーしたラルフ・ブライアントしかいない。1993年に204三振、1990年に198三振、1989年に187三振だ。ブライアントのシーズン175三振以上は4度を数え、2018年まではトップ4を独占していた。1992年の176三振は、現在、歴代5位に位置する。

 各球団のシーズン三振記録を保持している選手は、以下のとおり。

筆者作成
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 福岡ソフトバンク・ホークスと千葉ロッテ・マリーンズの2球団は、1シーズンに150三振以上を記録した選手が一人もいない。

 また、各球団トップの12人中11人は、記録を作ったシーズンに20本以上のホームランを打っているが、2021年の甲斐拓也(福岡ソフトバンク)は12本塁打だ。もっとも、これまでの10シーズン中、甲斐のホームランは、2021年が最も多い。

 なお、過半数の7球団は、過去10年間(2014~23年)に、シーズン三振記録が塗り替えられている。東京ヤクルトと中日以外の5球団の最多は、こう変遷している。

 広島東洋カープは、堂林翔太の150三振(2012年)→ブラッド・エルドレッドの169三振(2014年)。埼玉西武ライオンズは、オレステス・デストラーデの165三振(1990年)→中村剛也の172三振(2015年)。横浜DeNAベイスターズは、村田修一の153三振(2006年)→梶谷隆幸(現・読売ジャイアンツ)の157三振(2017年)。

 阪神は、クレイグ・ブラゼルの153三振(2010年)→マウロ・ゴメスの166三振(2014年)→佐藤の173三振(2021年)。福岡ソフトバンクは、ウィリー・モー・ペーニャの130三振(2012年)→柳田悠岐の131三振(2014年)→松田宣浩の135三振(2015年)→松田の141三振(2016年)→甲斐の142三振(2021年)だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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