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メジャーリーグ11年の野手が34歳で投手に転向。マイナーリーグから再出発

宇根夏樹ベースボール・ライター
チャーリー・カルバーソン Jun 17, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 これまで、チャーリー・カルバーソンは、ユーティリティの野手としてプレーしてきた。2012~14年と2016~23年の11シーズンに、メジャーリーグで590試合に出場した。

 2023年の出場は代打の1打席、内野安打で1打数1安打ながら、2018~19年は2シーズン続けて100試合以上に出場し、2018年は12本のホームランを打った。

 通算本塁打は30本。最初の8本中4本は、サヨナラ本塁打だ。それについては、6年前にこちらで書いた。

「「ミスター・サヨナラ本塁打」現る。ここ3本のホームランはすべてサヨナラ!!」

 カルバーソンは、4月に35歳の誕生日を迎える。まだ引退はしないものの、これまでとは違うキャリアをスタートさせようとしているらしい。

 ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンによると、リリーバーとして、アトランタ・ブレーブスのマイナーリーグのキャンプに参加するという。アトランタ・ジャーナル-コンスティチューションのジャスティン・トスカノも「チャーリー・カルバーソンはブレーブスのマイナーリーグ・キャンプへ…投手として」と題した記事を発表している。

 内野4ポジションと外野両翼の守備につくだけでなく、カルバーソンは、メジャーリーグのマウンドに上がったこともある。それも、1度や2度の野手登板ではない。2018~22年に8登板で7.1イニングを投げ、1失点(自責点1)の初登板以外は無失点。防御率は1.23だ。

 もちろん、今後を占うサンプル数としては少なすぎる。けれども、スタットキャストによると、速球の最速は、二塁打を打たれたとはいえ、93.7マイルを記録している。

 野手から投手になった例は少なくないが、そのほとんどは、メジャーデビューする前の転向だ。

「セーブ歴代トップ20の5人に1人は、野手から投手に転向。なかには、殿堂入りしたクローザーも」

 また、メジャーデビュー後に転向した選手のなかでも、カルバーソンの転向前に10シーズン以上と出場500試合以上は、かなり多いのではないかと思う。

 例えば、この3人だけではないはずだが、ジェイソン・レインは、2002~07年に出場497試合→投手転向→2014年に3登板。ハビー・ゲラは、2018年に出場13試合→投手転向→2019~23年に61登板。アンソニー・ゴース(クリーブランド・ガーディアンズ)は、2012~16年に出場372試合→投手転向→2021~22年に28登板だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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