Yahoo!ニュース

3年前のサイ・ヤング賞投手を放出し、3年前に39本塁打の外野手と防御率3.17の先発投手を獲得する

宇根夏樹ベースボール・ライター
ミッチ・ハニガー Sep 13, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 1月5日、シアトル・マリナーズとサンフランシスコ・ジャイアンツは、2対1のトレードを成立させた。マリナーズはミッチ・ハニガーアンソニー・デスクラファーニを獲得し、ジャイアンツはロビー・レイを手に入れた。

 レイは、3年前のサイ・ヤング賞投手だ。2021年にトロント・ブルージェイズで193.1イニングを投げ、奪三振率11.54と与四球率2.42、防御率2.84を記録した。そのオフにFAとなり、マリナーズと5年1億1500万ドル(2022~26年)の契約を交わした。

 ハニガーは、2022年までマリナーズにいた。全休の2020年を挟み、2017~19年と2021~22年にライトを守っていた。この5シーズンのうち、規定打席以上は2度。2018年は26本塁打と出塁率.366、2021年は39本塁打と出塁率.318を記録した。2022年のオフにFA市場に出て、3年4350万ドル(2023~25年)の契約でジャイアンツに入団した。レイもハニガーも、2024年のオフにオプト・アウトできる。

 デスクラファーニは、規定投球回以上のシーズンが3度ある。シンシナティ・レッズ時代の2015年と2019年に、ジャイアンツ1年目の2021年だ。最初の2度は防御率3.85以上ながら、3度目は防御率3.17。そのオフ、ジャイアンツと3年3600万ドル(2022~24年)の再契約を交わした。

 3人とも、ここ2シーズンは、2021年のような活躍ができていない。レイは、2022年も189.0イニングを投げたものの、防御率は3.71と悪化した。2023年は、3月末の1登板のみ。5月にトミー・ジョン手術を受けた。復帰は、2024年のシーズン中盤になりそうだ。ハニガーとデスクラファーニのここ2シーズンは、それぞれ、計118試合で17本塁打と出塁率.288、計118.2イニングで防御率5.16だ。

 今オフ、ジャイアンツは、ジョンフ・イ(李政厚)を6年1億1300万ドル(2024~29年)の契約で迎え入れた。外野には、左から右に、マイケル・コンフォート、イ、マイク・ヤストレムスキの3人が並び、DHと一塁には、ウィルマー・フローレスラモンテ・ウェイドJr.がいる。そこで、ハニガーを手放すことにしたのだろう。

 一方、マリナーズの外野は、フリオ・ロドリゲスの両隣が空いていた。テオスカー・ヘルナンデスがFAになったのに加え、先月初旬、ジャレッド・ケルニックをアトランタ・ブレーブスへ放出した。ESPNのジェフ・パッサンによると、マリナーズはタンパベイ・レイズともトレードを行い、内野手のホゼ・カバイェロと交換に外野手のルーク・レイリーを手に入れるという。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事