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ここ2年続けて防御率4.80以上のジオリトが2年3850万ドルの契約を得る。今年の被本塁打は41本

宇根夏樹ベースボール・ライター
ルーカス・ジオリト Sep 15, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ボストン・レッドソックスは、来シーズンのローテーションに、ルーカス・ジオリトを加えるようだ。ESPNのジェフ・パッサンやMassLive.comのクリス・コッティーロらが、2年3850万ドルの契約で合意、と報じている。

 昨シーズン、ジオリトは、シカゴ・ホワイトソックスで161.2イニングを投げ、防御率4.90を記録した。今シーズンは、ホワイトソックス、ロサンゼルス・エンジェルス、クリーブランド・ガーディアンズで過ごし、計184.1イニングで防御率4.88。被本塁打は、前年から17本増え、40本を超えた。2022年が24本、2023年は41本だ。後者は、歴代11位タイに位置する。

 このスタッツからすると、2000万ドル近い年俸は、高すぎるように見える。

 ただ、2018年以降の6シーズン中、ジオリトの規定投球回未満は、2022年だけだ。このシーズンも、あと1アウト多ければ、到達となっていた。

 また、2019~21年は、3シーズン続けて3.50前後の防御率を記録している。2019年が防御率3.41(176.2イニング)、短縮シーズンの2020年が防御率3.48(72.1イニング)、2021年は3.53(178.2イニング)だ。2023年も、2度の移籍前にホワイトソックスで投げた121.0イニングに限れば、防御率は3.79だった。

 ここ5シーズンとも、奪三振率は9.85以上だ。与四球率は少し高めながら、5シーズン続けて3.60未満にとどまっている。

 しかも、ジオリトは、まだ若い。現在の年齢は29歳。来年の7月半ばに30歳の誕生日を迎える。

 うまくいけば、レッドソックスで、ローテーションの2番手あるいは3番手になり得る。

 パッサンによると、年俸は、2024年が1800万ドル、2025年は1900万ドル。2024年のオフにオプト・アウトすることができ、行使した場合は100万ドルの解約金が発生する。3年目の2026年は変動制のオプションになっていて、2025年に140イニング未満なら1400万ドルの球団オプション、140イニング以上だと年俸1900万ドルの相互オプション。こちらの解約金は150万ドルだという。2年3850万ドルは、2024~25年の年俸と2026年の解約金の合計だ。

 なお、ジオリトは、これまでずっと、レイナルド・ロペスと同じ球団にいた。2人とも、2012年にワシントン・ナショナルズに入団し、2016年にメジャーデビュー。その年のオフのトレード(ナショナルズ→ホワイトソックス)と今夏のトレード(ホワイトソックス→エンジェルス)で一緒に移籍し、さらに、ウェーバー経由でエンジェルスからガーディアンズに移ったのも同じ日だった。

 先月下旬、ロペスは、アトランタ・ブレーブスと契約を交わした。

 それについては、こちらで書いた。

「エンジェルスなど3チームで68登板のリリーバーは、3年3000万ドルの契約を得て先発再転向も」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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