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ジャイアンツと再契約の場合、筒香嘉智が開幕ロースターに入るチャンスはあるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
筒香嘉智 May 4, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、筒香嘉智は、メジャーリーグに昇格することなく、シーズンを終えた。そして、8月下旬にマイナーリーグ契約で入団したサンフランシスコ・ジャイアンツから、FAになった。

 ジ・アスレティックのアンドルー・バッガリーらによると、ジャイアンツの編成を司るファーハン・ザイディは、筒香と再契約を交わし、メジャーリーグ・レベルのスプリング・トレーニングに招くことを話し合っている、と語ったという。マイナーリーグ契約のノン・ロースター・インバイティ(キャンプ招待選手)ということだ。

 今シーズン、筒香は、テキサス・レンジャーズ傘下のAAA、独立リーグ、ジャイアンツ傘下のAAとAAAでプレーした。独立リーグの12試合を除く、AAとAAAの計68試合で、打率.260と出塁率.401、OPS.859を記録した。長打は、ホームランと二塁打が各10本と三塁打2本。四球率と三振率は、18.6%と28.3%だ。レンジャーズのAAAでは一塁と三塁を守り、ジャイアンツのAAとAAAではレフトと一塁の守備についた。

 一方、ジャイアンツの一塁は、ラモンテ・ウェイドJr.ウィルマー・フローレスが主に守った。先発出場は、それぞれ、104試合と45試合だ。DHの先発出場は、ジョク・ピーダーソンの72試合が最も多く、フローレスの36試合がそれに次いだ。3人のうち、ピーダーソンは、FAになった。

 外野には、マイケル・コンフォートルイス・マトスマイク・ヤストレムスキミッチ・ハニガーオースティン・スレイターエリオット・ラモスらがいる。コンフォートは、1800万ドルの選手オプションを行使した。

 彼らの今シーズンのスタッツからすると、筒香が開幕ロースターに入るチャンスは、あるように見える。

筆者作成
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 ただ、これは、あくまでも現時点のメンバーだ。今シーズン、ジャイアンツで20本塁打以上を記録したのは、23本のフローレスしかおらず、チーム全体の179本はリーグ9位。出塁率.312はワースト2位(14位)に位置し、OPS.695はリーグで最も低かった。今オフに野手を加えても、不思議ではない。おそらく、そうするのではないだろうか。

 また、コンフォートとハニガーは、過去にシーズン30本塁打以上を記録している。ヤストレムスキは、2年前に25本のホームランを打った。

 マトスとラモスは、20代前半の若手だ。今シーズン、マイナーリーグでは、どちらも出塁率.380以上を記録した。

 センターの守備という点からすると、マトス、ヤストレムスキ、スレイターのうち2人――新たにセンターを守れる選手が加入しても、この3人中1人――は外せないだろう。ウェイドJr.、コンフォート、ヤストレムスキは、筒香と同じ左打者なので、さらに左打者が増えた場合、筒香にとっては、厳しい状況となりそうだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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