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カーショウは引退せずに現役続行。ただし、来シーズンの前半は欠場。3000奪三振まであと56

宇根夏樹ベースボール・ライター
クレイトン・カーショウ Sep 23, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 11月3日、クレイトン・カーショウは、左肩の手術を受けたことをインスタグラムで発表した。その文章には「来夏のどこかの時点で復帰してプレーすることを望んでいる」とある。引退はせず、来シーズンも投げるつもりでいる、ということだ。

 今オフ、カーショウはFAとなった。来年3月には、36歳の誕生日を迎える。このまま引退しても、最初の記者投票で殿堂入りするだろう。16シーズンの通算防御率は2.48だ。防御率リーグ1位のシーズンは5度を数え、サイ・ヤング賞は3度受賞している。3度目の2014年は、MVPにも選ばれた。2020年には、ワールドシリーズ優勝のメンバーになっている。

 今年のポストシーズンは、ディビジョン・シリーズの第1戦に登板し、初回に6点を取られ、1アウトしか取れずに降板した。カーショウは、第4戦にも投げる予定だったが、ドジャースはアリゾナ・ダイヤモンドバックスにスウィープされ、シリーズは3試合で終わった。

 この登板については、こちらで書いた。

「大エース2人の明暗。バーランダーは6イニング無失点、カーショウは初回6失点でKO」

「球史に残る大炎上でもカーショウの次の登板予定は変わらず。その理由はカーショウだから…なのか」

 だが、今シーズンは、24登板の131.2イニングで防御率2.46を記録した。昨シーズンも、22登板の126.1イニングで防御率2.28だ。全盛期は過ぎたものの、まだ、打者を抑えることはできるはずだ。

 カーショウがFAになるのは、3年連続3度目。過去の2度は、いずれもドジャースと再契約を交わした。それぞれ、1年1700万ドルと1年2000万ドルだ。今オフも、金額はこれまでより少なくなるだろうが、ドジャースに戻るのではないだろうか。カーショウは、2006年のドラフトでドジャースから全体7位指名を受け、プロ入りした。他の球団に在籍したことは、一度もない。

 わずかながら、ドジャース以外の可能性があるとすれば、テキサス・レンジャーズだろう。カーショウは、レンジャーズが本拠を構える、アーリントンの近くで生まれ育った。カーショウの家族は、そこに住んでいる。

 なお、あと56三振を奪うと、カーショウは、史上20人目か21人目の通算3000奪三振となる。カーショウのすぐ上には、2979奪三振のザック・グレインキーがいるが、こちらは40歳だ。今シーズンは、先発27登板とリリーフ3登板の計142.1イニングで防御率5.06。来シーズンも投げるかどうかは、まだわからない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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