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日本シリーズ第1戦に完封で勝ったチームは71.4%が優勝。1985年の阪神も第1戦は完封勝利

宇根夏樹ベースボール・ライター
京セラドーム大阪 MARCH 3, 2017(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 10月28日、日本シリーズの第1戦は、阪神タイガースが8対0でオリックス・バファローズを下した。5回表と6回表に山本由伸を打ち込んだ一方で、村上頌樹(7イニング)と加治屋蓮(1イニング)と岩貞祐太(1イニング)の3投手は、オリックスに三塁を踏ませなかった。

 日本シリーズ第1戦の完封勝利は、今年の阪神が15チーム目。2013年の読売ジャイアンツ以来なので、10年ぶりだ。10年前の読売は第7戦に敗れたが、これまでの14チーム中10チーム(71.4%)は優勝を飾っている。

筆者作成
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 1985年の阪神も、第1戦に完封勝利を挙げ、4勝2敗でシリーズを制した。第1戦のスコアは3対0。ランディ・バースが8回表に3ラン本塁打を打ち、池田親興が9イニングを投げて西武ライオンズを封じた。当時の池田と現在の村上は、どちらもプロ2年目だ。

 もっとも、オリックスからすると、完封されても、打ち合って競り負けても、1敗は1敗という見方もできる。昨年の日本シリーズは、黒星からスタートしただけでなく、第2戦の引き分けを挟み、第3戦も敗れたが、そこから4試合続けて勝った。

 また、第1戦に完封負けを喫した15チームのうち、こちらも71.4%の10チームは、第2戦に勝ち、シリーズを1勝1敗としている。1994年以降の6シリーズは、いずれもこのパターンだ。

 なお、1951年の読売は、第1戦に続き、第2戦も完封勝利を収めた。それぞれ、藤本英雄別所毅彦が9イニングを投げきった。1994年の第1戦と第2戦は、それとは違う2試合連続完封だ。第1戦は西武の渡辺久信ら5投手が得点を許さず、第2戦は読売の槙原寛己が完投した。

 10月29日に行われる第2戦の先発マウンドには、宮城大弥(オリックス)と西勇輝(阪神)が上がる。今シーズン、宮城が記録した3完封は、九里亜蓮(広島東洋カープ)と並び、両リーグで最も多い。その3登板を含め、6イニング以上を投げて無失点は9登板を数え、シーズン22登板の40%以上を占める。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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