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ドラフト全体1位の指名権を得る確率。A'sは18.3%、エンジェルスは6.1%、マリナーズは0.2%

宇根夏樹ベースボール・ライター
ポール・スキーンズ(左)とベン・チェリントンGM Jul 18, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ドラフト全体1位(から6位まで)の指名権は、ロッタリー(抽選)によって決まる。昨年までは、前年のシーズン勝率が最も低かった球団が、全体1位の指名権を得ていた。

 今年のドラフトでは、ピッツバーグ・パイレーツが、ルイジアナ州立大の右投手、ポール・スキーンズを全体1位で指名した。パイレーツは、昨年12月に行われたロッタリーで全体1位の指名権を手に入れた。昨年の勝率が最も低かったワシントン・ナショナルズは、ロッタリーで全体2位の指名権を得て、スキーンズとチームメイトの外野手、ディラン・クルーズを指名した。

 ロッタリーに参加するのは、ポストシーズンに進めなかった18球団だ。今年の場合は、ナショナルズを除く17球団。ナショナルズは、マーケットが大きく、収益分配金を受け取る立場ではないため、2年続けてロッタリーに参加することはできない。

 ロッタリーの「当選確率」は均等ではなく、基本的に、前年の勝率が低い球団ほど高くなる。例えば、ア・リーグ西地区の3球団の場合、来年のドラフト全体1位の指名権を得る確率は、オークランド・アスレティックスが18.3%、ロサンゼルス・エンジェルスが6.1%、シアトル・マリナーズは0.2%だ。

 各球団が全体1位の指名権を手にする確率と、最後に全体1位で指名した選手は、以下のとおり。

 これまで、アスレティックスの全体1位指名は、初めてドラフトが行われた1965年のリック・マンデーだけだ。エンジェルスが1995年に全体1位で指名したダリン・アースタッドは、2002年にエンジェルス初の――現時点では最後の――ワールドシリーズ優勝メンバーとなった。1991年にニューヨーク・ヤンキースから全体1位指名を受けたブライアン・テイラーは、メジャーデビューできないまま、選手生活を終えた。

 過去6年、2018年以降のドラフトは、デトロイト・タイガース、ボルティモア・オリオールズ、パイレーツが、全体1位の指名権を2度ずつ持っていた。

 なお、ドラフトのロッタリーについては、1年前にこちらで、もう少し詳しく書いた。

「エンジェルスがドラフト全体1位の指名権を得る確率は、大谷翔平がホームランを打たれるよりも低く…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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