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地区首位のマリナーズからベンチ・コーチがいなくなる

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブラント・ブラウン Feb 23, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月31日、シアトル・マリナーズは、ベンチ・コーチ&オフェンシブ・コーディネーターのブラント・ブラウンがその役割から外れることを発表した。

 ブラウンのマリナーズ在籍は、2013~17年に続き、今回が2度目。2013~16年にマイナーリーグのアウトフィールド・コーディネーター、2017年はオフェンシブ・コーディネーターを務めた後、ロサンゼルス・ドジャースとマイアミ・マーリンズを経て、昨オフにマリナーズへ戻ってきた。

 スコット・サービス監督とは、選手時代にシカゴ・カブスでチームメイトだった。ブラウンは外野と一塁を守り、サービスはマスクをかぶっていた。

 マリナーズは、58試合で31勝27敗(勝率.534)を記録し、ア・リーグ西地区の首位に立っている。ただ、これは、投手たちの好投と、他チームのもたつきによるところが大きい。

 1試合平均3.64得点は、両リーグ・ワースト2位だ。打率.221と出塁率.295はワースト3位とワースト4位、OPS.656はワースト3位。三振率28.3%は、どのチームよりも高い。

 こうしたことからすると、解任あるいは退任――おそらくは前者――の理由は、オフェンシブ・コーディネーターとしての働きあるいは能力のように見える。

 もっとも、打撃そのものだけが理由であれば、役割から外れるのは、打撃コーチのジャレット・デハートやアシスタント打撃コーチのトミー・ジョセフであってもおかしくない。デハートは、ヒッティング・ストラテジー(戦略)のディレクターという肩書きも持っている。

 今回の動きは、ブラウンとサービス監督、あるいはブラウンと中心選手との関係に起因、ということも考えられる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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