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ベッツや大谷を引き離し、3年連続の首位打者に向けて独走か。今シーズン5度目の1試合4安打

宇根夏樹ベースボール・ライター
ルイス・アライズ(サンディエゴ・パドレス)May 31, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月31日、ルイス・アライズ(サンディエゴ・パドレス)は、1打席目、3打席目、4打席目、5打席目に、いずれもシングル・ヒットを打った。

 今シーズン5度目の1試合4安打だ。1度目の4月7日は、マイアミ・マーリンズで記録した。2度目の5月4日は、マーリンズからトレードで移籍し、パドレスの選手として最初に出場した試合だ。3度目と4度目は、5月22日と23日に2試合続けた。

 5月29日が終わった時点の打率は.332。翌日は試合がなく、31日を迎えた時点では、ナ・リーグ打率ランキングのトップながら、2位と3位との差は皆無に等しかった。アライズの下には、ロサンゼルス・ドジャースの2人、打率.332のムーキー・ベッツと打率.330の大谷翔平が位置していた。

 だが、5月31日を終え、アライズの打率は.342まで上がった。一方、ベッツと大谷は、4打数0安打と3打数0安打(1四球)。それぞれの打率は.326と.326まで下がった。順位も変動。アライズのチームメイトであるジャリクソン・プロファーが、前日の4位から2位に浮上した。こちらは、5打数3安打を記録し、打率を.323から.330とした。

 まだ、差は大きくない上に、レギュラーシーズンは100試合以上が残っている。だが、アライズは、3シーズン連続の首位打者に向け、視界良好といったところだ。ミネソタ・ツインズでプレーしていた2022年は、ア・リーグ1位の打率.316。オフのトレードでパドレスマーリンズへ移った2023年は、両リーグ1位の打率.354を記録した。今シーズンは、移籍前が打率.299、移籍後は打率.398だ。

 3シーズン続けて首位打者を獲得すれば、2011~13年のミゲル・カブレラ以来となる。2012年のカブレラは、打率.330、44本塁打、139打点を記録し、三冠王となった。

 2014年以降、3シーズン連続の首位打者にリーチをかけたのは、アライズが3人目だ。ホゼ・アルトゥーベ(ヒューストン・アストロズ)は、2016~17年の首位打者(.338と.346)に続く、2018年がア・リーグ3位(.316)。上には、ボストン・レッドソックスの2人、打率.346のベッツと打率.330のJ.D.マルティネス(現ニューヨーク・メッツ)がいた。クリスチャン・イェリッチ(ミルウォーキー・ブルワーズ)は、2018~19年の首位打者(.326と.329)に続き、短縮シーズンの2020年はナ・リーグ・ワースト6位(68位/.205)に終わった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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