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千葉ロッテと広島東洋の日本シリーズ進出は第1戦の白星が絶対条件!? 「0勝2敗」から逆転の前例は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
広島東洋の日本シリーズ進出は2018年が最後 Sep 11, 2016(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 クライマックス・シリーズ(CS)のファイナル・ステージは、両リーグとも、リーグ優勝のチームと2位のチームの顔合わせとなった。パ・リーグはオリックス・バファローズ千葉ロッテ・マリーンズ、セ・リーグは阪神タイガース広島東洋カープが試合を行う。

 リーグ優勝のチームに「1勝」のアドバンテージが与えられるようになった2008年以降、パ・リーグのファイナル・ステージ(旧名称の第2ステージを含む)において、第1戦に敗れて「0勝2敗」となったチームが勝ち上がった例はない。11チームとも、第2戦以降の勝敗の推移はさまざまながら、結局は敗退している。

 一方、第1戦に勝って「1勝1敗」とした4チーム中3チームは、ファースト・ステージ(旧名称の第1ステージを含む)に続き、ファイナル・ステージも勝ち上がっている。それぞれのファイナル・ステージの勝敗は、2010年の千葉ロッテが(●)○●●○○○、2018年の福岡ソフトバンク・ホークスが(●)○●○○○、2019年の福岡ソフトバンクは(●)○○○○だ。

 ちなみに、「1勝1敗」としたあと1チーム、2017年の東北楽天ゴールデンイーグルスは、第2戦も勝ったが、その後、3連敗を喫した。

 セ・リーグの場合、ファイナル・ステージの第1戦を終えて「0勝2敗」のチームがファイナル・ステージを制した例は、皆無ではない。2017年の横浜DeNAベイスターズがそうだ。この年、レギュラーシーズンで3位に位置した横浜DeNAは、ファースト・ステージで2位の阪神を破り、ファイナル・ステージでリーグ優勝の広島東洋と対戦した。そして、第1戦は完封負けを喫したものの、そこから4試合続けて勝利を収めた。横浜DeNAの勝敗は、ファースト・ステージが●○○、ファイナル・ステージは(●)●○○○○だ。

 もっとも、第1戦の黒星で「0勝2敗」となった9チームのうち、6年前の横浜DeNAを除く8チームは、日本シリーズに進むことができなかった。

 また、パ・リーグと違い、第1戦を終えて「1勝1敗」とした5チームのなかにも、ファイナル・ステージを勝ち上がったのは、2014年の阪神しかない。

 近年は、両リーグとも、リーグ優勝のチームが第1戦に勝って「2勝0敗」とし、シリーズも制して日本シリーズに進むパターンが続いている。パ・リーグは、2020年から3度連続。セ・リーグは、CSを開催しなかった2020年を挟み、2018~19年と2021~22年の4度連続だ。これらの計7度とも、第2戦を終えてリーグ優勝のチームが(○)○○の「3勝0敗」となるまでは共通している。この7度のなかには、リーグ優勝のチームが2敗目を喫したシリーズもない。

 なお、今年のファイナル・ステージに進んだ4チームのうち、日本シリーズから最も遠ざかっているのは、2010年が最後の千葉ロッテだ。あとの3チームのブランクは、まだ10年に満たない。オリックスは過去2年とも進出。広島東洋は2018年、阪神は2014年が最後となっている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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