Yahoo!ニュース

近藤健介とグレゴリー・ポランコの「移籍1年目に本塁打王」は史上何人目!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
近藤健介 March 10, 2023(写真:ロイター/アフロ)

 パ・リーグの本塁打王は、26本の3人、グレゴリー・ポランコ(千葉ロッテ・マリーンズ)、浅村栄斗(東北楽天ゴールデンイーグルス)、近藤健介(福岡ソフトバンク・ホークス)が獲得した。

 彼らのうち2人は、昨シーズン、違う球団でプレーしていた。ポランコは読売ジャイアンツ、近藤は北海道日本ハム・ファイターズの選手だった。

 日本プロ野球の球団から日本プロ野球の球団へ移り、その1年目に本塁打王を獲得したのは、ポランコと近藤が初めてではない。けれども、人数は少ない。

 見落としがなければ、2人の前には9人しかいない。

筆者作成
筆者作成

 深見安博は、1952年の開幕直後に、西鉄ライオンズから東急フライヤーズへ移った。この年のホームランは、西鉄で2本と東急で23本だ。パ・リーグで深見に次いでホームランが多かったのは、21本の関口清治なので、移籍後の本数に限っても、深見はリーグ・トップに位置する。移籍するまで、深見と関口は同じチームでプレーしていた。

 9人のうち、移籍前年のシーズン本塁打が一桁も、移籍前年に本塁打ランキングのトップ10に入っていなかったのも、深見と近藤だけだ。ともに8本塁打。それぞれの順位は、パ・リーグ11位タイとパ・リーグ25位タイだった。

 移籍前年はホームラン1本当たりの打数が25を超えていたのも、青田昇と近藤の2人だ。どちらも、40打数以上を要した。

 また、移籍1年目の本数を前年と比べると、近藤のプラス18本(8本→26本)は、小鶴誠のプラス27本(24本→51本)に次いで多い。

 1948年の青田は、本塁打王だけでなく、首位打者も獲得した。1950年の小鶴と別当薫に、2017年のアルフレド・デスパイネ(福岡ソフトバンク)と今シーズンの近藤は、ホームランと打点の二冠王だ。

 なお、移籍1年目かどうかを問わず、30本未満のホームランで本塁打王となった選手については、9月にこちらで書いた。

「今年のパ・リーグもそうなるのか。30本塁打未満で本塁打王を獲得した選手たち。過去60年は2人だけ」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事