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オリオールズは次も負けると0勝3敗で敗退。今年のレギュラーシーズンで喫したスウィープは皆無

宇根夏樹ベースボール・ライター
ガナー・ヘンダーソン(左)とアドリー・ラッチマン Oct 7, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ボルティモア・オリオールズは、ディビジョン・シリーズの第1戦と第2戦に、ホームでテキサス・レンジャーズに敗れた。スコアは、2対3と8対11だ。10月10日にアウェーで行われる第3戦に負けると、0勝3敗でシリーズ敗退となる。

 今年のレギュラーシーズンで、オリオールズは一度もスウィープされていない。3試合あるいは4試合のシリーズだけでなく、2試合のシリーズで2敗も皆無だ。最後に喫したスウィープは、デトロイト・タイガースと3試合を行った、昨年の5月13日~15日まで遡る。ちなみに、その直後にもニューヨーク・ヤンキースに3連敗ながら、このシリーズは4試合あり、最後に勝ってスウィープを免れた。

 今年、負けるとスウィープの試合に臨むのは、ディビジョン・シリーズの第3戦が10度目だ。それまでの9シリーズは、いずれも●●○。そのうちの4度は、相手が変わった直後のシリーズで、最初の2試合に勝っている。このスパンの5試合は、●●○○○ということだ。現在のオリオールズがリーグ・チャンピオンシップ・シリーズに進むには、スウィープを免れるだけでなく、この●●○○○が必要となる。

 直近の6イニング、ディビジョン・シリーズ第2戦の4回以降に限ると、レンジャーズの2得点に対し、オリオールズは6点を挙げている。これだけでは判断材料に乏しいが、もしかすると、打線のエンジンはかかり始めているのかもしれない。

 一方、今年、3試合以上のシリーズでレンジャーズがスウィープにリーチをかけたのは、ディビジョン・シリーズが19度目。これまでの18シリーズ中、3試合目に敗れ、スウィープを逃したのは8度だ。スウィープを達成したシリーズのほうが少し多いが、オリオールズと3試合を行った5月26日~28日は、○○●でスウィープとはならなかった。

 なお、オリオールズの捕手、アドリー・ラッチマンは、昨年5月21日にメジャーデビューした。メジャーリーグでは、スウィープされた経験がない、ということだ。

 ラッチマンだけではない。ディビジョン・シリーズのロースターに入っている、オリオールズの26人のなかには、同じような選手が他に4人いる。リリーバーのDL・ホールと三塁手&遊撃手のガナー・ヘンダーソンは、昨年8月にデビューした。内野手のジョーダン・ウエストバーグと外野手のヘストン・カースタッドのデビューは、それぞれ、今年の6月と9月だ。

 過去のディビジョン・シリーズにおける、0勝2敗からの3連勝、●●○○○については、こちらで書いた。

「藤浪晋太郎のいないオリオールズは敗退濃厚!?「0勝2敗から3連勝」で勝ち上がったパターンは…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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