「60盗塁以上のルーキー」は1900年以降7人目。イチローの56盗塁は10位タイ
9月18日、エステウリー・ルイーズ(オークランド・アスレティックス)は、8回裏にヒットで出塁した後、二盗と三盗を成功させた。これにより、今シーズンの盗塁は60を超えた。60盗塁目と61盗塁目だ。
ルイーズは24歳。メジャーリーグ2年目のルーキーだ。7月にデビューした昨シーズンは、サンディエゴ・パドレスとミルウォーキー・ブルワーズで計17試合に出場した。
1900年以降、1シーズンに60盗塁以上のルーキーは、ルイーズが7人目。その前に記録したのは、1997年に60盗塁のトニー・ウォーマックなので、今世紀に入ってからはルイーズが初ということになる。それまで、ルーキーによる今世紀のシーズン最多盗塁は、イチロー(2001年)とビリー・ハミルトン(2014年/当時シンシナティ・レッズ/現タンパベイ・レイズ)の56盗塁だった。
ベースの拡大や投手の牽制制限など、新ルールの追い風を受けているとはいえ、ルイーズは、7月上旬から8月上旬まで故障者リストに入っていた。離脱前の出場85試合で43盗塁に対し、復帰後は出場36試合で18盗塁だ。約2試合に1盗塁のペースは、変わっていない。
盗塁王の獲得は、まず間違いないだろう。ア・リーグで50盗塁に達している選手は、ルイーズの他にはいない。
ただ、新人王の受賞は、難しそうだ。ルイーズのホームランは4本しかなく、出塁率も.304に過ぎない。例えば、ガナー・ヘンダーソン(ボルティモア・オリオールズ)は27本塁打と出塁率.329、トリスタン・カーサス(ボストン・レッドソックス)は24本塁打と出塁率.367を記録している。
ルーキーのシーズン盗塁トップ10に名を連ねる、ルイーズを除く12人中、過半数の7人は、そのシーズンに盗塁王を獲得した。1981年のティム・レインズ(71盗塁)、1985年のビンス・コールマン(110盗塁)、1992年のケニー・ロフトン(66盗塁)、1993年のチャック・カー(58盗塁)、1995年のキルビーオ・ベラス(56盗塁)、1997年のウォーマック(60盗塁)、2001年のイチロー(56盗塁)がそうだ。
1985年のコールマンと2001年のイチローは、新人王に選ばれている。イチローは、MVPも受賞した。1981年のレインズ、1984年のホアン・サミュエル、1992年のロフトン、2014年のハミルトンは、新人王投票2位だ。それぞれの上には、フェルナンド・バレンズエラ、ドワイト・グッデン、パット・リスタッチ、ジェイコブ・デグローム(当時ニューヨーク・メッツ/現テキサス・レンジャーズ)がいた。4人の受賞者のうち、リスタッチ以外は先発投手だ。
1992年は、リスタッチが打率.290と出塁率.352、1本塁打と54盗塁。ロフトンは打率.285と出塁率.362、5本塁打と66盗塁を記録した。それぞれ、遊撃とセンターを守っており、リスタッチのポジションが新人王の大きな要因になったのではないかと思われる。