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過去2年に続き、今年も30本塁打ちょうどなら「3年続けてまったく同じ本数」は何人目!? 現在26本

宇根夏樹ベースボール・ライター
カイル・タッカー(ヒューストン・アストロズ)Aug 8, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月10日、カイル・タッカー(ヒューストン・アストロズ)は、4回裏に二盗と三盗を続けて決め、シーズン盗塁を28とした。この試合のホームランはなかった――三塁打を2本打った――が、26本塁打を記録しているので、あと4本塁打と2盗塁で「30-30」となる。

 また、ここから4本のホームランを打ち、5本目は打たずにレギュラーシーズンを終えると、3年連続30本塁打となる。

 3年連続30本塁打以上ではない。3年連続30本塁打ちょうどだ。2021年も2022年も、タッカーのホームランは、30本だった。盗塁は14と25。今シーズンは、すでにキャリアハイを更新している。

 30本塁打以上のまったく同じ本数を2年続けて記録した選手は、見落としがなければ、2021~22年のタッカーとエウヘニオ・スアレス(現シアトル・マリナーズ)が、延べ29人目と30人目だ。スアレスは、2021年にシンシナティ・レッズで31本のホームランを打ち、2022年はマリナーズで31本塁打を記録した。今シーズンのホームランは、ここまで19本。30本塁打に届かず、ストリークは途切れそうだ。

筆者作成
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 タッカーとスアレスの前の28人のなかには、ストリークをさらに伸ばした選手もいる。マイク・シュミットは、1975~77年に3年連続38本塁打。デール・マーフィーは、1982~84年に3年連続36本塁打。アダム・ダンは、2005~08年に4年連続40本塁打だ。4年目の2008年は、レッズで32本のホームランを打った後、アリゾナ・ダイヤモンドバックスで8本を積み上げた。

 ちなみに、移籍の時点でシーズン30本塁打以上は、2008年のダン以外に2人しかいない。それについては、7月にこちらで書いた。

「大谷翔平のトレードが実現した場合「移籍時点で30本塁打以上」は史上4人目。これまでの最多本数は…」

 ダンは、2005~08年に続き、2009~10年に2年連続38本塁打も記録している。2005~10年のシーズン本塁打は、40本、40本、40本、40本、38本、38本だ。

 この6シーズンの計236本塁打は、251本のライアン・ハワードと248本のアルバート・プーホルスに次ぎ、3番目に多い。また、2004年の46本塁打を含めた7シーズンの計282本は、2004~10年の2位。こちらは、294本のプーホルスに次ぐ。

 ただ、ダンは、ナ・リーグでもア・リーグでも、リーグ最多の四球と三振を記録しているものの、キャリアを通し、タイトルとは無縁だった。

 ポストシーズンの試合にも、出場していない。2014年のワイルドカード・ゲームでは、オークランド・アスレティックスのロースターに入っていたが、ダンが出場することなく、アスレティックスは12回裏にサヨナラ負けを喫し、ポストシーズンから姿を消した。ダンは、この年限りで選手生活にピリオドを打った。

 レギュラーシーズンの出場は2001試合、ホームランは462本を数える。

 なお、ホームランと違い、厳密にはまったく同じではないが、クリス・デービス――ファーストネームのイニシャルはK――は、2015~18年に4年続けて打率.247を記録している。その前後の2014年と2019年の打率は、.244と.220だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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