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オルソンが19試合ぶりにホームランを打つ。大谷は10試合連続ホームランなし。本塁打王の行方は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
マット・オルソン(アトランタ・ブレーブス)Aug 30, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月3日、マット・オルソン(アトランタ・ブレーブス)は、シーズン44本目のホームランを打った。

 8月13日以来、19試合ぶりのホームランだ。後半に入り、7月14日~31日は15試合で7本塁打、8月1日~13日は13試合で7本塁打を記録したが、8月14日~9月2日の18試合は、ホームランがなかっただけでなく、打率.206と出塁率.304に終わり、打点も5にとどまっていた。

 ナ・リーグの本塁打王は、現時点でトップ4にランクインしている選手が獲得する――複数がタイトルを分け合う可能性もある――のではないだろうか。

 オルソンに次ぐ3人、41本塁打のピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)、39本塁打のカイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)、38本塁打のムーキー・ベッツ(ロサンゼルス・ドジャース)は、いずれも、8月1日以降に11本塁打以上。直近の1週間(8月28日~9月3日)も、2本以上のホームランを打っている。

 アロンゾとシュワーバーについては、それぞれ、こちらで書いた。

「アロンゾが「2年連続40本塁打」に到達。ここ3年に2度の40本塁打以上は、大谷翔平に続く2人目」

「この選手は史上初の「打率1割台で40本塁打以上」となるのか。ここまでは打率.189で38本塁打」

 ベッツは、5年ぶり2度目のMVPを手にする可能性も高い。こちらは、ベッツとロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)のどちらかになりそうだ。史上初の「30-60」に到達したアクーニャJr.は、さらに、「30-70」や「40-60」、「40-70」もあり得なくはない。ここまでに、32本塁打と63盗塁を記録している。

 35本塁打のホルヘ・ソレーア(マイアミ・マーリンズ)は、8月29日の試合でスウィングした際に右の腰を痛め、翌日から5試合続けて欠場している。

筆者作成
筆者作成

 一方、ア・リーグでは、最も多くのホームランを打っている大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が、ここへきて、本数を増やせずにいる。現時点で最後の44本目は、8月23日のダブルヘッダー1試合目。10試合連続ホームランなしは、今シーズンのブランクのなかで最も長い。

 ただ、大谷に次ぐ、35本塁打のルイス・ロバートJr.(シカゴ・ホワイトソックス)も、8月以降のホームランは多くない。しかも、右太腿の状態が思わしくないようで、ここ2試合は出場していない。

 34本塁打のアドリス・ガルシア(テキサス・レンジャーズ)と31本塁打のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)は、今月の3試合中2試合でホームラン――ガルシアは2日と3日に1本ずつ、ジャッジは1日と2日に1本ずつ――を打っているが、大谷との差は、まだ10本以上ある。大谷がここからも足踏みを続けるか、シーズンを途中で打ち切るかしない限り、ガルシアもジャッジも、本塁打王を獲得するのは難しい気がする。

 なお、ガルシアは、9月3日のサヨナラ本塁打により、シーズン100打点に到達した。2位と3位には、99打点のカイル・タッカー(ヒューストン・アストロズ)と95打点の大谷が位置する。

 ナ・リーグには、100打点以上が2人いる。オルソンが113打点、アロンゾは100打点。3位は、99打点のベッツだ。アロンゾは、9月3日に打った2本目のホームランで、打点を三桁に乗せた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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