Yahoo!ニュース

大谷翔平のここからのホームランは記録ラッシュ。自己最多やエンジェルスのシーズン記録だけでなく…

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)Aug 26, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、44本のホームランを打っている。ここからのホームランは、ほぼ1本ごとに、何らかの記録に並ぶ、あるいは記録を塗り替える。

45

 エンジェルスでシーズン45本塁打以上を2度記録した、初の選手となる。これまでは、3人が1度ずつ。トロイ・グロスが2000年に47本塁打、マイク・トラウトが2019年に45本塁打、大谷が2021年に46本塁打だ。

 なお、エンジェルスでシーズン40本塁打以上の回数は、トラウトの3度(2015年/41本、2019年/45本、2022年/40本)が最も多い。グロスと大谷は2度。グロスの2度は、世紀をまたいで2年連続だ。2000年に続き、2001年に41本塁打を記録した。他は、アルバート・プーホルスが1度。2015年に40本のホームランを打ち、トラウトと「40本塁打デュオ」を結成した。

46

 2021年の自己最多と並ぶ。今シーズン、エンジェルスは130試合目を終えたところだ。2年前の同じ時点における、大谷のホームランは41本だった。

47

 自己最多を更新し、23年前にグロスが樹立した、エンジェルスのシーズン記録に並ぶ。ちなみに、グロスの47本塁打は、エンジェルスでは初のシーズン40本塁打以上。それまでは、1982年にレジー・ジャクソンが記録した、39本塁打が最も多かった。

48

 エンジェルスのシーズン記録を塗り替える。また、メジャーリーグの通算本塁打は175本となり、松井秀喜と並ぶ。松井は、2003~12年の10シーズンに175本塁打を記録した。大谷は、2023年が6シーズン目だ。

49

 松井のメジャーリーグ通算本塁打を上回る。アジア生まれの選手では、シンス・チュー(現SSGランダース)の通算218本塁打が最も多い。チューは、2018年5月26日にサヨナラ本塁打を打ち、松井を追い抜いた。サヨナラ本塁打の通算本数は、松井もチューも3本。大谷は、まだ打っていない。

50

 シーズン50本塁打以上は、これまでに30人(延べ47人)が記録している。到達すれば、31人目(延べ48人目)……とは限らない。現在、マット・オルソン(アトランタ・ブレーブス)は、大谷と1本差の43本塁打だ。大谷よりも先に、50本目のホームランを打つかもしれない。また、彼らに次ぐ、39本塁打のピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)は、2019年に53本塁打を記録している。

 大谷のシーズン本塁打は、50本にとどまらず、さらに増えてもおかしくない。

 もっとも、最後まで出場し続けるかどうかは、わからない。右肘の手術が必要ということになった場合、シーズンが終わる前に手術を受ける可能性もある。手術が早ければ、その分、復帰するのも早くなる。

 2018年の登板は9月2日が最後だが、その後も、DHとして出場し、24試合で7本のホームランを打った。手術を受けたのは、10月1日。エンジェルスが162試合目を終えた翌日だ。2019年は、投げられなかっただけでなく、DHとしても開幕には間に合わず、シーズン初出場は5月7日。エンジェルスの35試合目だった。

 ここから、大谷が出場し続けても、エンジェルスは今秋のポストシーズンに進めないだろう。一方、44本塁打でシーズンを終えても、本塁打王を獲得する可能性は低くない。ア・リーグ2位のルイス・ロバートJr.(シカゴ・ホワイトソックス)は、34本塁打だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事