チャップマンとシャーザーに続き、先発投手と救援投手を同時に獲得。めざすは球団初のワールドシリーズ優勝
7月30日、テキサス・レンジャーズは、3人の選手と交換に、セントルイス・カーディナルスから、先発投手のジョーダン・モンゴメリーとリリーフ投手のクリス・ストラットン(とインターナショナル・ボーナス・プールの金額)を獲得した。
放出した3人のうち、トーマス・サジェイシーとタコウ・ロビーは、21歳の内野手と先発投手だ。どちらも、2020年のドラフトで入団。今シーズンは、AAでプレーしていた。ジョン・キングは、28歳のリリーフ投手。こちらは、2020年にメジャーデビューしている。
インターナショナル・ボーナス・プールは、海外のアマチュア選手に支払う契約金の総額上限だ。その一部がカーディナルスからレンジャーズへ動いたので、レンジャーズは、ペナルティなしに費やせる金額が増えた。
レンジャーズは、この前日に、ニューヨーク・メッツからマックス・シャーザーを手に入れ、1ヵ月前には、カンザスシティ・ロイヤルズからアロルディス・チャップマンを得ている。ローテーションとブルペンに加わるのは、モンゴメリーとストラットンがそれぞれ2人目ということになる。
シャーザーとチャップマンのトレードについては、こちらで書いた。
◆「シャーザーのトレードについてメッツとレンジャーズが合意。交換要員はアクーニャJr.の弟!?」
◆「チャップマンのトレードは予定どおりだが、デッドラインの1ヵ月以上前は…。ロイヤルズからレンジャーズへ」
今シーズン、レンジャーズのエースとして投げていたネイサン・イオバルディは、モンゴメリーとストラットンのトレードと同じ日に故障者リスト入りしたが、離脱が長引かなければ、来月中旬に戻ってくる。
そうなると、ローテーションの4枠には、イオバルディ、シャーザー、モンゴメリー、ジョン・グレイが並ぶ。あとの1枠は、デイン・ダニング、マーティン・ペレス、アンドルー・ヒーニーの誰かだろう。ダニングだとすると、ローテーションの5人のなかで最も防御率が高いのは、4.01のシャーザーとなる。
ストラットンは、4シーム、カーブ、スライダーの主要3球種ともスピン量が多く、防御率は実際の4.36より低くてもおかしくない気がする。昨年の夏、ピッツバーグ・パイレーツからカーディナルスへ移籍後は、20登板の22.2イニングで防御率2.78を記録している。
モンゴメリーも、昨夏のトレードで動いている。ニューヨーク・ヤンキースからカーディナルスへ移り、11登板の63.2イニングで防御率3.11を記録した。
レンジャーズに加わった投手4人のうち、シャーザーは、トレードに際し、今オフにオプト・アウトする権利を放棄した。FAになるのは、来シーズンの終了後だ。だが、チャップマン、モンゴメリー、ストラットンは、今オフのFA市場に出る。
現在、レンジャーズは、僅差ながら地区首位に立っている。2016年以来のポストシーズン進出にとどまらず、めざすゴールは、球団初のワールドシリーズ優勝だろう。
レンジャーズは、1961年にワシントン・セネタースとして誕生した。セネタース時代を含め、ワールドシリーズ進出は、2010~11年の2度。2011年は、「ポストシーズンのホームランを4チームで打った選手のうち、ワールドシリーズ優勝を経験していないのは…」や「ワールドシリーズのヒーローが、球団殿堂入りを辞退する」で書いたとおり、優勝まであと一歩に迫った。