Yahoo!ニュース

大谷翔平の「81試合で28本塁打」は昨年62本塁打のアーロン・ジャッジより1本少ないだけ

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)Jun 27, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月27日、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、シーズン27本目と28本目のホームランを打った。

 エンジェルスは、この日が81試合目。レギュラーシーズンの半分を終えた。このままのペースでいくと、大谷のシーズン本塁打は56本となる。

 昨シーズン、62本塁打を記録したアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)は、ヤンキースが81試合を終えた時点で、29本塁打だった。それと比べると、今シーズンの大谷は1本少ないだけだ。

 ただ、当然ながら、これからの81試合も同じペースでホームランを打つとは限らない。ジャッジのようにペースアップした選手がいる一方で、ペースダウンした選手もいる。

 2年前の大谷は、後者だ。エンジェルスの81試合目に、シーズン29本目と30本目のホームランを打った。この時点では、今シーズンより2本多かったということだ。2021年のシーズン本塁打は、50本に届かなかった。46本塁打だ。

 2009年のアルバート・プーホルスも、よく似ている。こちらは、セントルイス・カーディナルスの最初の81試合で30本塁打、その後の81試合は17本塁打だ。どちらのスパンも、80試合に出場した。

 もっとも、この年のプーホルスは、2021年の大谷と違い、1本差でプリンス・フィルダーを凌ぎ、本塁打王を獲得した。フィルダーのホームランは、ミルウォーキー・ブルワーズの最初の81試合で21本、その後の81試合で25本だった。

 一方、近年における、ペースアップの顕著な例としては、2017年のジャンカルロ・スタントン(当時マイアミ・マーリンズ/現ヤンキース)が挙げられる。6年前、マーリンズが81試合を終えた時点では21本塁打ながら、そこからの81試合で38本のホームランを打ち、60本塁打まであと1本に迫った。

 ちなみに、1シーズンに56本以上のホームランは、スタントンとジャッジを含め――現役選手は彼らだけ――延べ20人が記録している。シーズン55本は皆無。他は54本以下だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事